老犬の介護はどうすればいいの?
人間と同じように犬もろ老犬になり、介護が必要になります。
年齢を重ね、病気になる・認知症になる・寝たきりになるなど、家族の介護が必要な時期がきます。
少しでも健やかに過ごせるために、どのような世話をしてあげたらよいのでしょうか?
1.食事のサポート
愛犬が高齢になり、食欲が低下すると栄養が吸収しづらく、栄養バランスが崩れやすくなります。
タンパク質不足だと筋力低下になり、カリシウム不足だと骨が弱くなるなど、脳や皮膚バリアなどさまざまな病気になりやすくなります。
愛犬がしっかりと食事が摂れるように、サポートすることが大切です。
- 老犬になると、足や首の筋肉が落ちて食べる姿勢が辛くなるため食器台を使用し、愛犬の食べやすい高さに調節します。
- 老犬は味覚・臭覚が衰えて食事が美味しく感じなくなるので、ドックフードは食べやすく・食欲がでるように香りを出すために、お湯でふやかしてあげるのもよいでしょう。
- 老犬は一般的には、食事の量が減り痩せてしまうので、1日の食べる量は変えずに食べる回数を増やしてみましょう。
シニア用の柔らかいフードに替えるのもよいでしょう。
*高齢になると、歯周病や歯の痛みで食事を嫌がることがあります。獣医師に相談しましょう。
愛犬の正しい食事を参考にしてください。
自力で食べられない場合
寝たきりになってしまった場合は、必要水分量が減ってしまうことがあります。
飲みたくても水飲み場に行けないので、ウエットタイプやスープタイプの水分量が多いフードにするのもよいでしょう。
流動食の場合は、市販の注射器・蜂蜜の容器・ドレッシングボトルなどに流動食を入れ、少しずつ口の中に流し込みます。
この時犬の頭を立てて、立っている時と同じ向きにして口に流し込むと、気管への入り込みを防げます。
流動食を嫌がる時は、無理に流し込むと窒息する可能性があるので、獣医師に相談してみましょう。
寝たままで抱っこもできない場合は、クッションや枕を使い頭の位置を少し高くしてあげましょう。少し高くしてあげるのは、寝たままだと食道に引っかかることがあるので予防の助けになります。
2.散歩のサポート
老犬になると筋肉が衰えて、立ち上がれなくなり寝たきりになってしまうことが多いのです。
犬は歩けなくなりと衰弱が進むので、できるだけ散歩を続けて筋力の維持をしましょう。
- 少しでも体を動かし、外の空気にあたることは体や脳を刺激します。
刺激をあたえることは認知症の予防にもなるので、老犬の無理のない範囲で適度な運動をさせてあげましょう。
- 老犬になると、歩くスピードが落ちる・足を引きずることがあります。
脚に怪我がないようでしたら、ゆっくり散歩をしてあげましょう。
あまり散歩を嫌がるようでしたら、抱っこやカートで行き帰りに歩くなどと工夫をして外の空気にあてて刺激しましょう。
- 老犬になると、段差・階段・坂道を嫌がることがありますが、登り降りは脚力の維持になります。とても嫌がる時は断念して、体調の良いときは散歩のコースに入れましょう。
- 雨の日など散歩ができない日には、家でも筋肉トレーニングで「お座り→立つ→お座り」
「お座り→伏せ→お座り」などをさせる・遊びで筋肉の維持をしましょう。
- 脚がふらつくようになっても、介護用ハーネスなどを使い少しでも歩かせることが大切です。リハビリ効果や刺激になるので、短い時間でも歩かせてみましょう。
*老犬は暑さに弱いので、十分に注意してください。
犬の散歩させるを参考にしてください。
寝たきりの場合
脚の屈伸運動やマッサージは血行を促す効果があるので、日々のケアとしてしてあげてください。この時に、床ずれには注意してみてあげましょう。
また、可能な範囲で抱っこやカートに乗せて、外の空気を感じさせてあげるのも、心身に良い影響を与えてくれます。
3.トイレのサポート
老犬になると、元気なころには出来ていたトイレを失敗することがあります。
足腰の筋力が弱り、トイレの姿勢が保つことができない・感覚が鈍くなるなどでトイレに間に合わなくなることがあります。
トイレに失敗しても絶対に叱らないでください。
今まで出来ていたことができなくなった愛犬は、思うように動けずに戸惑っています。
怒らず無言で淡々と片付けてあげましょう。
- 愛犬の近くにいるときは、愛犬をトイレまで誘導してあげましょう。
- 足腰の筋力が弱っている場合は、愛犬を支えてトイレのサポートをします。
うまくトイレができない場合は、獣医師に圧迫の仕方やマッサージの仕方を指導してもらいましょう。
- 老犬はトイレの後になかなか動けずに、体を汚してしまうことがあります。
排泄物は、早く片付けてあげましょう。
体はできるだけ早くに、拭き取る・軽く水で洗い流すなどし、綺麗にしてあげてください。これは病気になる予防にもなります。
- トイレが難しいようなら、オムツを使用するのも選択の1つです。
オムツは清潔を保つため、こまめにチェックをし交換してあげましょう。
*トイレサポートをする場合は、トイレの数を増やしておくと居る場所からサポートをしやすくなります。
足腰が弱く歩きづらい老犬には、ハーネスやバスタオルをおなかの下に通して支えてあげるのもよいでしょう。
トイレトレーニングを参考にしてください。
寝たきりの場合
寝たきりの老犬は、そのまま寝床で排泄します。
防水シートとトイレシーツを敷いて、その上に寝かして排泄させます。
愛犬の体が汚れないようにすること、私たちも慣れるまでは汚れないようにエプロンを着ける・汚れてもよい服装でサポートをしてあげましょう。
4.床ずれのサポート
老犬になると脚力が弱り、歩けなくなることがあります。
歩けないと思っていても、立ち上がりを補助してあげると、外では歩けるケースもありますので、ハーネスで補助をして歩かせる・寝たきりでもカートに乗せて、なるべく散歩を続けて愛犬を気分転換させてあげてください。
また老犬は日によって、体調や気分が違うので歩けないから散歩をやめるなどせず、散歩は体調をみながら続けてください。
脚力低下は健康寿命を縮めてしまうので、がんばりましょう。
床ずれとは
マットや床に愛犬の体が長時間接して圧迫されることにより、血流が悪くなり皮膚や筋肉が死んでしまった状態です。
- 愛犬の体を清潔に保ちましょう。
排泄物は直ぐに処理し、愛犬の体についてしまったときは、すぐに優しく拭き取りましょう。
- 体圧分散マットなどで、横になっている時に1か所に体重が集中しないようにしましょう。
- 愛犬の体に触れて骨を感じる場所は、床に接しやすのでパットなどで保護をし、足などの関節にはタオルを巻くなどして、直接に骨同士が当たらないように気をつけましょう。
- 個体によって違うのですが、初めは2時間程度を目安に寝がえり(体位の変更)をしてあげましょう。
皮膚の状態をみながら、時間を調節してあげてください。
- 寝返りを嫌がるときは、体位をそのままで軽く持ち上げるだけでも、血流が回復するので効果があります。
- 皮膚は引きずる・こするなどして、負担がかからないように気を付けましょう。
- 床ずれは、肩・腰・かかとなど筋肉が薄い箇所ができやすいので注意深くみてあげましょう。
床ずれができてしまった場合
- 床ずれの周りを清潔にするため、傷の周りの毛を刈り、水道水で綺麗に洗い流して水気を取ります。
- 傷口を乾かさないように、傷口をラップで覆いテープで固定しますが、このとき1部のテープは固定せずに体液が排出できるようにしましょう。(湿潤療法)
- ラップがずれてしまうようなら、布や包帯で固定します。
- 床ずれは早期治療が重要です。放っておくと、傷口にウジなどが発生することがあるので、獣医師に診てもらいましょう。
*関節が固まらないように、体をさする・軽いマッサージ・無理のない範囲で体を動かしてあげましょう。
5.まとめ
愛犬が寝たきりにならないで健やかに過ごせるために、愛犬の身体や行動を日常から注意をし、早めにケアをしてあげましょう。
高齢だから、足腰が弱ったからと寝かしておこうではなく、触る・話しかける・散歩をする・ほかの犬と接するなどと、愛犬をかまってあげることがとても大切です。 老後も元気でいられるように、いっぱい話して、いっぱい触れてあげてくださいね。