犬猫の毛穴に寄生する毛包虫というダニがいる。毛包虫が起こす症状を知っておこう。
動物の毛穴に寄生するダニで、「ニキビダニ」や「アカラス」とも言われる毛包虫症があります。
ダニと聞くと「え?」と思いがちですが、毛包虫は健康な動物の皮膚にも常在しています。
では毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)とは、どのような病気なのでしょうか。
1.毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)とは
毛包虫は私たち人間にも、すべての哺乳類の毛穴にある毛包に寄生している常在寄生虫です。
体長は0.2~0.3mmの小型で細長い形態のダニで、肉眼では確認できず顕微鏡でしか確認はできません。
常在寄生している毛包虫ですが、毛穴の皮質を栄養として増殖し過ぎると毛包虫症を引き起こします。
犬猫が毛包虫症を発症しても、私たち人間に移ることはありませんが、多頭飼いしていると犬から犬へ・猫から猫へと感染することがあると言われています。
2.毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)の症状
毛包虫症の主な症状は、顔面や口・目の周り・四肢の先端の脱毛が起こります。
また、皮膚が赤くなる・フケがでるなどがあり、寄生する毛包虫の種類によっては激しい痒みがでることがあります。
症状の進行や重症度によっては、全身に症状が広がります。
細菌に感染すると、毛穴に水泡の膿がたまり化膿や出血・浮腫みなどの症状がでます。
この症状が悪化すると敗血症などを引き起こし、命にかかわることがあります。
3.毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)の原因
毛包虫は正常な皮膚にも少数存在していますが、何らかの原因で免疫が低下していると発症すると考えられます。
主な免疫低下の原因
・子猫、子犬
・老描・老犬
・出産
・発情
・慢性疾患、全身性疾患
・皮膚バリアの低下
・遺伝的要素
・高温多湿の気候
・アレルギー性皮膚炎など
4.毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)の治療
殺ダニ効果のある薬浴や内服薬・外用薬が、主な治療です。
治療は免疫力に大きく関わる病気なので、焦らず日々行うことが大切です。
治療には長い期間がかかるため、獣医師の指示に従い確実に行い完治を目指しましょう。
5.まとめ
毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)は発症の状態によっては、治療に長い期間が必要になります。
かわいい家族のため飼い主さんの正しい理解と日々の治療が、かゆみや痛みから解放してあげることができます。
あきらめずに気長にゆっくりと、完治を目指しましょう。
猫には猫ニキビと呼ばれる痤瘡(ざそう)という疾患もあります。
ニキビダニとは違う病気なので、猫ニキビも参考にしてください。