犬の肉球が冷たい。靴下を履かせた方がいいのか犬にも冷え性ってあるものなのでしょうか
寒い季節や夏でもエアコンが効いている部屋にいると、愛犬の肉球が冷たい感じたことがある飼い主さんも多いと思います。
あまりにも冷たいので靴下や靴を履かせようかと考えた方も少なくはないでしょう。
では犬の肉球の構造と役割、そして何故冷たい肉球になるのか考えてみましょう。
目次
1犬の肉球の構造
私たちが普段言っている肉球には、それぞれの名前や役割があります。
・「掌球(しょうきゅう)」と「足底球(そくていきゅう)」
手足の真ん中にある大きな肉球
体重を支える・地面との摩擦の軽減・衝撃の軽減
・「指球(しきゅう)」と「趾球(しきゅう)」
手足の前にある爪の生えていつの小さな肉球
地面をしっかりと包む・踏みしめる
・「狼爪(ろうそう)」
前足の内側の私たち人間の親指にあたるもの
野生の時代では崖を登るときに引っ掛け・獲物をしっかり抑えつけるのに使います。
現在では小型犬には退化して後ろ足にはないこともあります。
・「手根球(しゅこんきゅう)」
手首あたりに小さく丸い形をしており、地面に着くことはなく前足のみにあります。
犬が進化をする間に退化した肉球といわれ、現代では使うことのない肉球です。
2犬の肉球の役割
犬の肉球の主な役割は
・滑らない
犬の肉球は表面に細かい組織が密集いており、触った感じではザラザラしています。
犬の先祖の狼は、北の地域に住んでいてこの組織があるため雪や氷の上でも滑らずに走ることができます。
爪が大地や雪をつかむスパイクの役割をし、肉球が滑らずに走ったり方向転換をする役割をしています。
・クッション
柔らかい肉球は弾力があり、走る・ジャンプするなどの衝撃を受け止めてくれます。
・寒さ
肉球には静脈と動脈がくっついているため、体が冷えにくくなっているため雪や氷に触れても体が冷えないようになっています。
・汗
犬は汗腺が肉球に少しあるだけなので、体温調節はパンティング(口でハァハァする)で調節します。
パンティングだけで調節できないときは足の汗腺から汗をだすこともありますが、肉球は体温調節の機能はあまり大きくありません。
肉球はアポクリン汗腺と呼ばれるマーキングのための臭い付けや、肉球の保湿のために汗を出します。
3.犬の肉球の冷え
元気な成犬の肉球が冷たいのは身体の冷えに伴って肉球が冷たくなるので、一時的に冷えてしまった場合は身体が温まることで肉球の冷えも治まることが多いです。
しかし常に冷たい、また免疫力の低い子犬やシニア犬は冷え性を疑うべきこともあります。
シニア犬の場合は運動力が減り、胃腸の動きが悪くなり血液の循環が悪くなったりと、四肢未端が冷えやすくなります。
また、シングルコートの犬種も寒さには弱いので寒さに注意をしてあげてください。
4肉球が冷たいと心配な病気
犬も人間と同じように、慢性の冷え性があります。
体力や病気に対する抵抗力の低下を起こすことがあるので、冷え性で心配な主な病気を知っておきましょう。
・呼吸器系
肺炎や細菌・ウイルス感染などによる気管支炎の発症。
鼻・喉・気管支の炎症で咳がひどくなると、呼吸困難になることがあるので早めに病院で診てもらいましょう。
・泌尿器系
夏と違い冬は水を飲む量が違います。
そのため泌尿器系(腎臓・輸水管・膀胱・尿道)の疾患が出やすくなるので、尿の回数や尿の色などに変化はないか、変化がある場合は獣医師に相談しましょう。
・低体温症
犬の平熱は38.5℃前後といわれます。(個体差はあります)
低体温症の主な原因は手術による麻酔・甲状腺機能低下、また生まれたばかりの子犬や老犬にも発症しやすいといわれます。
低体温症は徐々に症状が進行しますので、軽度のうちに気が付くことが大切です。
犬にも個体差の平熱があるので、定期的に検温して平熱を知っておきましょう。
・感染症
予防接種をしているからといって完全に予防ができると思ってはいけません。
子犬や老犬または抵抗力の弱い犬、また予防接種をしていない犬など要注意です。
5まとめ
犬にも冷え性はあります。
日ごろからスキンシップを取りながら愛犬にマッサージをしてあげる、散歩から帰ってきたら肉球クリームを使い肉球の手入れをしてあげるなどし冷え性を早期発見できるように心がけましょう。