猫に多い「慢性腎不全」「急性腎不全」はどういう病気?

シニア猫の3頭に1頭が「慢性腎不全」になると言われています。

最近水をよく飲んだり、おしっこの回数が増えてきたりすると、慢性腎不全のサインかもしれません。

早期発見のためにも、日ごろから尿の状態などチェックしておきましょう。

1.慢性腎不全

1-1.慢性腎不全とは

慢性腎不全は、腎臓の機能が時間をかけてゆっくり低下していく病気です。

加齢に伴い腎臓機能が低下することが多く、7歳以上の猫によくみられる病気です。

腎臓にはいろいろな機能がありますが、その中でも血液中の老廃物をろ過し、尿を作るという大切な役割をしています。

腎不全にかかると血液中の老廃物をろ過することができず、毒素が体の中に溜まっていろいろな障害を引き起こします。

機能を失った腎臓は再生できないため、早期発見し腎臓の残りの機能を維持することが重要です。

慢性腎不全とは、腎臓に障害が起こり体に毒素が溜まる病気です。

1-2.慢性腎不全の症状

初期症状は水をたくさん飲み、おしっこの量が増えるます。

血中に毒素が溜まると、嘔吐や下痢・脱水症状などを引きおこします。

さらに進行すると尿毒症を発症し、死に至ることもあります。

「症状のチェック」

□一度にたくさん水を飲む

□おしっこの量や回数が増える

□おしっこの臭いがしなくなってきた

□おしっこの色が薄きなってきた

□食欲がなくなった

□元気がない

□よく嘔吐をするようになった

□毛並みが悪くなった

□舌やまぶたの色が白っぽい

□体重が落ちた

1つでも当てはまったら早めに獣医師に診てもらいましょう。

1-3.慢性腎不全の治療

腎臓の組織は1度壊れると元には戻せず、慢性腎不全を治す治療はありません。

治療は残っている腎臓の機能を長持ちさせ、病気の進行を遅らせます。

腎臓に負担をかけない低たんぱく・低リンの食事の食事療法や、投薬を行います。

初期の段階から食事療法などを行えば完治はなくとも、長生きすることは十分に可能です。

2.急性腎不全

2-1.急性腎不全とは

「慢性腎不全」が数カ月~数年かけてジワジワと進行する病気に対して、「急性腎不全」は数時間~数日ほどで急激に機能が低下するので症状が突然現れます。

急性腎不全は放っておくと1~2日で危険な状態になることもあるので、とても危険な病気です。

2-2.急性腎不全の症状

□食欲が落ちる

□水を飲む量が減る

□尿が少量もしくは全く出ない

□元気がなくなる

□嘔吐する

□下痢をする

など原因に異なった症状が現れます。

さらに進行すると有害な物質が体内から排出できなくなり、重度の尿毒症を発症します。

頻繁に嘔吐を繰り返し、体温低下・ひきつけ・口からアンモニア臭のほか脱水症状になります。昏睡状態になると命の危険にさらされますので、一刻も早い治療が必要です。

急性腎不全は慢性腎不全と違い、初期の段階で治療を行えば腎機能が回復する可能性があります。

2-3.急性腎不全の治療

原因によって異なりますが、一般的に利尿剤・点滴、あるいは透析によって脱水と電解質のバランスを改善し、尿毒症物質の排泄を促します。

また尿路の閉塞解除や損傷の修復のため、手術が必要になることもあります。

3.まとめ

猫は泌尿器系の病気になりやすい動物です。

もともと砂漠に住んでいたので、水が少なくても生きていけるように、おしっこなど体内の水分を大切に使うようになっています。

しかし7歳を過ぎると腎不全になる可能性がとても高いです。

早期発見ができれば食事などの配慮は必要ですが、共に楽しく過ごしていける可能性が高いので、私たち家族が気を付け健康チェックをしましょう。

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