更年期障害、男性と女性別の症状と対策はどうすればいいの?
最近少し体がだるい・やる気がでない・不眠症・食欲がないなどと、心身の変化がでて「更年期?」などと思っているひともいるでしょう。
更年期障害とはどういった症状で、どのような対策があるのでしょうか。
目次
1.更年期障害 女性
女性の閉経(1年間月経がない状態)前後5年の期間を更新期といいます。
卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)は20~30代でピークを迎えて、40代に入ったころから急激に低下が始まります。
そのためホルモンのバランスが崩れ、月経周期が乱れ、エストロゲンの欠乏により心身のさまざまな不調があらわれます。
これが更年期障害です。
更年期障害には症状の種類や強さは個人差があり、さまざまな不調があります。
2.症状
人によって症状はさまざまです。
更年期の症状はエストロゲンの減少だけではなく、心理的な要因や社会的環境の要因など複雑に関与するため、全身にさまざまな症状が出ます。
おもな症状
・ほてり ・不眠
・のぼせ ・抑うつ
・発汗 ・無気力
・冷え ・肩こり
・めまい ・腰痛
・耳鳴り ・関節痛
・頭痛 ・疲労感
・動き ・皮膚症状
・息切れ ・膣の渇き
・イライラ ・性交痛
・不安感 ・頻尿
・尿失禁 ・膀胱炎 など
3.対策
3-1.食事
更年期には女性ホルモンの影響により、心身の健康バランスが崩れやすくなります。
健康に必要な栄養素を確認していくと、やはりバランスの良い食事です。
主食:副菜:主菜=3:2:1が理想のバランスです。
3-2.運動
取り入れるべき運動は有酸素運動が重要です。
・ウォーキング、ジョギング
・水中歩行
・ヨガ
・サイクリング
有酸素運動に加えてストレッチやウエイトトレーニングを行うことが理想的です。
3-3.医療
ホルモン補充療法(HRT)とは、低下したエストロゲンを補う治療法です。
HRTは閉経後どのくらい経つのかなど、さまざまな状態によって使う製剤や使用パターンが違います。
医師ときちんと相談して決めましょう。
3-4.サプリメント
サプリメントで手軽に、いろいろなものが手に入ります。
自分に合った、女性ホルモンの働きを助ける成分が入ったサプリメントを選びましょう。
- 大豆/イソフラボン
大豆は食品・サプリメントとしても、更年期障害の症状の緩和に用いられます。
高濃度のフィトエストロゲン(ダイゼイン・ゲニスティン)が含まれていて、エストロゲン作用を示すものと考えられています。
- レッドクローバー
レッドクローバーはマメ科の植物で、大豆と同様にゲニスティンやダイゼインなどのイソフラボンを含有しています。
- ザクロ
ザクロは「天然の女性ホルモン(エストロゲン)」が含まれていると、一時期ブームになりましたが、現在のところ信頼できるデータは見つかっていません。
- ロイヤルゼリー
ロイヤルゼリーは、女性ホルモンの働きを助け糖代謝を改善します。
体質を改善し若返るなどといわれ、日本では人気があります。
- ブラックコゴシュ
ブラックコゴシュは、北米にあるキンポウゲ科の植物です。
女性ホルモンのバランスを整える・更年期のほてりの軽減をするなどと、欧米には人気があります。
4.アロマオイル
医療現場でも使用される、高いリラックス効果が期待できるアロマの香りは鼻から吸い込むと脳に働きかけ、脳がリラックスしホルモンの分泌を促し心身のバランスを整えてくれます。
- ゼラニウム
香り高いバラに柑橘系をプラスしたような香りが特徴的です。
イライラや浮腫み・生理痛に効果があり、女性ホルモンのバランスを整えてくれます。
ロマンティックで甘い香りがあります。
- イランイラン
イライラした気持ち・冷え性・鎮静効果や幸福感を覚えさせてくれる、エキゾチックなアロマオイルです。
- サイプレス
リラックス効果の高いヒノキの香りがします。
生理不順や憂鬱な不安感などに効果があり、女性ホルモンのバランスを整えます。
- クラリセージ
ナッツなどのスパイシーな香りが高いオイルです。
生理痛・頭痛・筋肉痛に作用し、日ごろから体の疲れを癒してくれます。
女性ホルモンだけではなく、自律神経にも効果的です。
5.更年期障害 男性
一般的に更年期障害というと、女性特有のものと思われている人もいます。
しかし、更年期障害は男性でもあります。
男性の更年期障害は症状が女性ほどはっきりしていないことが多いので、ただの不調だと思われがちです。
男性の更年期障害はホルモンのテストステロンの低下が原因です。
更年期障害が起こる時期は個人差が大きいのですが、男性ホルモンの分泌の低下が始まる40歳以降のどの年代でも起きる可能性があります。
男性ホルモンのテストステロンには、主に3つの働きがあります。
・筋肉や骨を強くする
・性機能を正常に保つ
・判断力や理解力などの認知機能を高める
6.症状
男性の更年期障害はほとんどの人が40~60代で発症しますが、30代などの若いうちから発症する場合もあります。
(体)
・筋力低下
・勃起力の低下
・関節痛
・性欲の減退
・筋肉痛・頻尿
・異常発汗
・肥満
・ほてり
(心)
・健康観の減少 ・興味や意欲の喪失
・眠れない ・不安・うつ症状
・集中力・記憶力の低下
7.対策
7-1.睡眠
睡眠が十分にとれていないと、ダンセイホルモンの分泌が少ない状態が続きます。
男性ホルモンの分泌量は日内変動しますが、寝ている時が分泌量が多いです。
7-2.ストレス
過剰なストレスは男性ホルモンを生成する能力を低下させます。
自分に合ったストレス解消法をみつけてください。
7-3.適度な運動
下半身の筋肉を動かす運動をすると、男性ホルモンの分泌量が増加するといわれます。
日常生活でエレベーターなどを使わず、階段の上り下りをする・早歩きをするなど、ちょっと変えてみるのも効果的です。
7-4.競争心
他の人と競い合うと、男性ホルモンの分泌量は増えるといわれます。
スポーツ・ゲームなのでも良いので、競うことにより男性ホルモンの分泌量を増やすことが更年期障害の予防になります。
8.病院
男性の更年期障害が疑われたときは、泌尿器科を受信する方が多いようです。
テストステロン(意欲・認知力・体力などを支えるホルモン)が減少すると、生活習慣病に関わってきます。
・泌尿器科
・メンズヘルス外来
・男性更年期外来
などに受診するとよいでしょう。
9.まとめ
更年期障害は人によって軽度・重度があります。
本人にとっては軽くても、日常生活に障害が出てしまう障害もあるので、1人で悩まずにほかの人に相談する・病院に受診することをおすすめします。
特に男性は女性のように閉経という目安がないので、更年期か病気なのかわかりづらいと思います。
男性も情勢も受診して重大な病気でないことを確かめ、更年期の治療をする方がよいでしょう。