犬の大腸炎はどのような病気なの?
愛犬の便にゼリー状のものが入っている、真っ赤な血が混ざっているなどの経験をした飼い主さんもいると思います。
このような症状のときは、大腸炎の疑いがあります。
1.犬の大腸炎とは
何らかの影響(「食べもの」「ストレス」「細菌感染」)で消化吸収の機能が低下し、通常では小腸までに消化吸収される食べもののカスが大腸に入ってしまいます。
大腸は、その食べ物のカスを便として排出しようと動き、そのときに大腸の粘膜に傷を付けてしまい炎症を起こしてしまうのが大腸炎です。
原因
さまざまなことが原因となるので、原因の特定が困難です。
しかし、下記のようなことが原因の場合が多いようです。
食べもの
・誤食、食中毒(おもちゃ・ゴミなど)
・フード、おやつの食べ過ぎ
・フードの変更
・冷たいものを過剰に与えた
いつもは食べないものを与えた、また人間の食べ物を与えてしまうと大腸炎の原因となります。
ストレス
・ペットホテル、トリミングに行った
・家の近くで工事があり、大きな音がする
・気候の変化
・知らない人が家に来た
・知らない場所に行った
ストレスは、意外に大腸炎の原因になることが多いのです。
いつもと違う生活環境で、ストレスを感じ大腸炎になってしまいます。
その他の原因
・ウイルス、細菌、寄生虫
・アレルギー
・腫瘍(直腸ポリープ、リンパ腫など)
・炎症性腸疾患
犬の下痢は病院に行くべきかや犬の胃腸炎も参考にしてください。
2.犬の大腸炎の症状
大腸炎は、大腸炎=下痢というくらい下痢の症状が現れます。
・便の量は、いつもと同じくらいか軽度に増加
・便の回数は、いつもの3倍以上に増加
・ゼリー状の粘膜が便と一緒に出る
・赤い鮮血がみられる
・しぶり(便がでないのに排便姿勢をとる)
・嘔吐がみられる場合もある
*出血が多い場合、嘔吐や下痢がひどいと脱水症状を起こします。
体力のない子犬や老犬は、脱水症状が命に関わることもあるので、特に注意しましょう。
便に血が混ざっていると、びっくりしてしまうと思います。
便の血でも、いろいろと原因が異なりますので、一般的には下記のような血便があります。
・便に鮮血が混じる
便に赤い血(鮮血)が混じっている場合は、肛門から比較的に近い場所から出血している可能性が高いです。
大腸、直腸、肛門の周りからの出血で、やや黒みがかった暗赤色の場合は、時間が経って血液が変色していると推測できます。
・便か黒くなっている
便か黒くなって鉄のような臭いがする場合は、古くなった血液が混じっている可能性があります。
胃・小腸などの消化管の中でも、肛門から遠い場所での出血や口の中からの出血を飲み込んだ場合などにみられます。
・便に血が付着
ゼリー状の粘膜と一緒に少量の血液が付着している場合は、炎症などによって腸の粘膜が傷ついて出血している可能性があります。
便の表面だけに付着しているときは、便がある程度形になったあとで直腸からの出血が付いたものだと考えられます。
・お尻から出血が止まらない
血が出続けるときは、腫瘍や出血を止める機能に異常があるかもしれません。
出血量によっては、貧血を起こすことがあります。
貧血は、口の粘膜や舌が白っぽくなるのがサインですので、気を付けてあげてください。
3.犬の大腸炎の治療
愛犬が下痢をすると慌てて便を片付けてしまいがちですが、獣医師に診てもらうのに寄生虫によるものか・細菌によるものかなどを判断するのに、便検査で特定できるので受診する際に持って行くようにしましょう。
一般的には体力のある成犬の場合は、下痢を止める薬と半日程度の絶食をして腸を休ませます。
その後、病院の処方される消化の良いフードや、いつも食べているフードをふやかし少量から与えます。
病院によっては、整腸剤や腸の粘膜を保護する薬を使用して、大腸の粘膜や蠕動運動(ぜんどううんどう)を回復させます。
繰り返す大腸炎の場合は、出ている症状に対する対症療法を行います。
*脱水症状にならないよういに注意して、水は少量ずつ小まめに飲ませ、腸に負担がかからないようにします。
4.まとめ
愛犬の下痢や粘膜が出ると、慌ててしまいがちです。
しっかりと症状を確認して、下痢をした便を持ち獣医師に説明をしましょう。
また、お腹が冷えないように腹巻などをしてあげるのも良いでしょう。
腹巻はずれ落ちないように、洋服の上から着けるといいですよ。
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