最近食事中にむせるのなぜ?
最近飲食をするとむせることがあると、経験したことがある人も多いと思います。
むせるのは高齢者だけではなく、若年層でもむせると感じている人は意外にいるのです。
なぜむせるのか、喉の構造などを知っておきましょう。
1.喉の仕組み
飲み物・食べもの・唾液などは、口に入れると食道の入り口から胃に運ばれます。
しかし喉の食道の入り口のすぐ隣には、呼吸をするための気管の入り口(喉頭)があります。
私たちが普段ゴックンと自然に飲み込むことを「嚥下(えんげ)」といいますが、嚥下は私たちが生まれて成長するとともに身に付く行為なので、普段私たちは飲み込むときに意識せずに飲み込んでいます。
私たちは口に食べものが無い時など、喉は気管として呼吸をしていますが、飲み物・食べものを口に入れるとゴックンと飲み込む間のわずか0.5~0.8秒の間に、周りの筋肉・神経が複雑に動いて気管は声門や喉頭蓋という蓋が閉まり食道に食べものを送ります。
2.むせる原因
医学用語で飲み込む動作を「嚥下(えんげ)」といい、嚥下に関するトラブルを「嚥下障害」と呼びます。
・誤嚥の原因
喉の奥には、食べものが溜まりやすい窪みが2カ所「喉頭蓋谷」「梨状陥凹(りじょうかんおう)」があります。
この2つの窪みに食べものがたくさん溜まると、窪みから溢れ出て気管に流れ込んでしまう・息を吸った勢いで食べものが気管に吸い込まれてしまうことがあります。
水のようなサラサラ流れやすいものは、姿勢の変化であっという間に気管に流れ込んでしまうこともあるのです。
・誤嚥の最大の原因
飲み込みにくい・むせるなどの最大の原因は、やはり「加齢」です。
年を重ねると喉の周辺の筋力が低下し、飲みこむ機能が衰えやすくなります。
加齢による嚥下障害は、一般的には60代前後から多くなりますが、喉周辺の筋力が衰え始めるのは40代から始まります。
・そのほかの原因
口や喉・食道などの疾患や障害が考えられます。
例でいうと、口内炎・歯槽膿漏・虫歯・扁桃炎・咽頭炎・口腔がん・舌がん・咽頭がん・喉頭がん・甲状腺がん・食道がん・食道炎・食道腫瘍・食道の変形など
また、脳梗塞・脳出血・脳血管障害・神経障害・筋疾患・ストレスなどの心理的なことなども関連している可能性もあります。
3.嚥下障害のチェック
・チェック
・30秒間で唾液が3回以上飲みこめる
・30mlの水を5秒以内にむせないで飲める
・嚥下障害の徴候
・声質が変わってきた
・常に喉がゴロゴロしている
・痰が多く出る
4.嚥下障害の予防改善
・喉周辺の筋トレ
嚥下障害が多くなるのは60歳前後ですが、喉周辺の筋力の衰えは40代から始まります。
・おへそをのぞき込むように顎を引き、おでこに手を当てて、そのまま手とおでこを5秒間押し合いましょう。
*喉ぼとけに力を入れるように意識して、5~10回行います。
・顎を引き、顎の下に両手の親指を当てます。
顎は下に、親指は上に力を入れて5秒間押し合いましょう。
*喉ぼとけに力を入れるように意識して、5~10回行います。
・「イー」と5秒間発声しながら、口を思いっきり横向きに広げましょう。
これを5~10回繰り返します。
・唾液をゆっくりと飲み込みます。
喉ぼとけを意識して、ゴックンとしっかり飲みこみましょう。
2~3回行います。
*これらを1日1回1セットで行います。
食事を細かくする・飲み物をゼリー状にするなどと、対処することもよいでしょう。
5.むせたときの対処法
むせ込んだ時は、喉の奥にあるものをすべて吐き出してしまうことが大切です。
私たちの口は喉よりも上にあるため、まず頭を低く下げた「前傾姿勢」で強く吐き出す方法が効果的です。
吐き出して落ち着いてきたら大きく深呼吸をして、むせないようでしたら飲食を再開してください。
お茶や水などを飲むのは、誤嚥が悪化することがあるので、落ち着いた後にしましょう。
6.まとめ
むせることは誰にでもあることなので、神経質になり過ぎることはありません。
症状がひどい場合は、誤嚥性肺炎につながる恐れがある・ほかの病気の可能性があるので、きちんと病院で診察をしてください。