犬の黒色腫(メラノーマ)はどのような病気なの?

 

愛犬の体を触っていると、イボのようなものを見つけることがあります。

大抵ののイボは、パピローマ(皮膚乳頭腫)といい良性の腫瘍なのですが、その中には悪性のイボも含まれていることがあります。

犬のイボを参考にしてください。

今回は、悪性腫瘍のメラノーマ(黒色腫)を知っておきましょう。

 

 

1.犬のメラノーマ(黒色腫)とは

 

 

メラノーマと聞くと人間のメラノーマを想像し、黒子(ホクロ)が突然できてとても怖い悪性腫瘍を思います。

犬にも人間と同じくメラノーマはあり、皮膚・爪周囲・眼・口腔内といろいろな場所にいろいろなタイプの腫瘤を形成します。

ただし、犬のメラノーマの悪性度は発生部位により大きく変わります。

犬の場合は人間と違い、皮膚にできるメラノーマは悪性の可能性は低く、口腔内のできるメラノーマは悪性と言われます。

メラノーマとはどういう腫瘍かというと、メラノサイトと呼ばれるメラニン色素を作り出す細胞が由来となる腫瘍です。

メラノサイトは皮膚の表層や真皮と言われる層に多く分布している細胞で、メラノーマは黒色腫と言われる腫瘍です。

黒色腫は良性のメラノサイトーマ(良性のメラノーマ)と悪性のメラノーマがあり、腫瘍は細胞の形態や増殖度・周辺の組織への浸潤や転移のしやすさによって、良性か悪性かが変わります。

犬では悪性の黒色腫をメラノーマと呼びます。

 

 

2.犬のメラノーマの発症部位

 

 

メラノーマは黒色腫と言われるように、黒っぽい見た目が特徴で良性のメラノサイトーマも同様で黒っぽい見た目が皮膚に現れます。

 

皮膚メラノーマ

毛の生えている部分の四肢に発生しやすいですが、毛の生えている部分ではメラノーマの割合は1割程度です。

多くは良性のメラノサイトーマとなりますが、頭部・陰部周辺・爪付近・眼・肛門などの皮膚粘膜境界は、ほぼ悪性のメラノーマと言われます。

 

私の愛犬の足にできたメラノサイトーマです。

トリミングの時にトリマーさんが見つけてくれました。

 

 

口腔内メラノーマ

口の中にできるメラノーマは、ほとんどが悪性腫瘍です。

口腔内メラノーマは局所侵襲性と遠隔転移性があり、局所侵襲性は発生した腫瘍細胞が近くの細胞を置き換えながら大きくなります。

遠隔転移性は肺や骨などの、遠くの臓器へ腫瘍が転移します。

 

 

3.犬のメラノーマの症状

 

 

メラノーマは、皮膚と粘膜に接合した部分に発生することが多いのです。

口腔内の粘膜・舌・眼瞼部・眼球・指先などとさまざまで、発生した場所で症状は異なります。

進行の早い腫瘍で、発生に気が付いた時にはすでにリンパ節や肺に転移している可能性があります。

 

犬のメラノーマの初期症状の例

・歯肉や唇・舌・口腔内の粘膜に黒いしこりがある

・口臭がひどい

・口から出血している

・瞼や眼球に黒いシミのような黒ずみがある

・爪の付け根に黒い腫瘍がある

 

メラノーマは進行が早いため、リンパ節や肺に転移します。

見つけたらすぐに獣医師に診てもらいましょう。

 

 

4.犬のメラノーマの治療

 

 

外科療法

リンパ節や肺に転移がなく、大きさが小さい場合は腫瘍切除が有効です。

腫瘍の範囲によっては、上顎・下顎・鼻骨などの切除が必要になります。

外見が大きく変わるだけではなく、生活の質にも影響が出るので獣医師から十分に説明を受けましょう。

 

放射線治療

腫瘍を小さくする・外科療法ができないなどの腫瘍にする治療法です。

治療期間はいろいろ異なりますが、数週間にわたる治療が必要で治療費が高額になります。

外科手術と化学療法と組み合わせる場合もあります。

 

化学療法

外科手術が難しいい場合に、抗がん剤による化学療法をすることがあります。

 

*近年では、免疫療法で癌ワクチンなどの治療もあります。

 

 

5.まとめ

 

 

メラノーマは予防法がないので、早期発見が重要です。

とくに口腔内のメラノーマは悪性度が高いため、毎日唇・舌・口腔内を確認して腫瘍の小さいうちに気が付き、自己判断はせず獣医師の診察を受けましょう。

私の愛犬も足や唇・瞼の近くに黒いイボを見つけ、メラノーマではないかと心配しました。

愛犬は、良性のメラノサイトーマでしたのでイボを取るだけですみましたが、その時に獣医師は毎日口の中を確認するように言われました。

少しでも何かを見つけたのならば、早く獣医師に相談してください。

 


 

 

 

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