猫がグルーミングをして毛玉を吐くのはなぜ?
猫が、自分の体を舐めてグルーミングをしている姿をよく見ます。
綺麗好きなイメージのある猫ですが、このグルーミングで猫の毛が体内に入り吐くことがあります。
1.猫が毛玉を吐く理由
猫は起きている時の、30~50%もグルーミングをしているといわれます。
猫の舌はザラザラした突起があり、この突起がブラシの要領で毛をすきとり、すきとった毛を飲み込んでしまいます。
猫がグルーミングをする目的
・体表の汚れを落として清潔にする
・体温調節(唾液で体温を低下させる)
・自分の匂いを消す(獲物をとるときに獲物にばれないように)
・リラックス
・コミュニケーション
飲み込んだ毛は便と一緒に排出されますが、胃や腸などの消化器管内に蓄積され毛玉となります。
毛玉は胃や腸に刺激を与える要因となり、毛玉を吐き出そうとして嘔吐を繰り返すようになります。
2.猫の嘔吐と吐出の違い
猫が吐くのには、嘔吐と吐出の2種類に分けられます。
・嘔吐(おうと)
嘔吐は脳で嘔吐中枢が刺激され、神経系統を通じて脳が吐く信号を発信します。
この信号に応じて、胃や十二指腸の内容物が口から吐き出されることを嘔吐といいます。
横隔膜が蠕動(ぜんどう)してゲーゲーを吐く動作をし、下向きに吐き出します。
*吐き出されたものは、消化が始まっている状態です。
・吐出(としゅつ)
吐出は、神経系や筋肉などの異常・食道に異物や腫瘍があるなどのトラブルがあり、食べたものが胃に到達する前に食道から逆流して吐き出されることを吐出といいます。
前に飛ばすように吐くのが特徴で、食道拡張・重症筋無力症・若年の心臓血管の奇形が考えられ、食道の運動機能が低下しているときに吐出することがあります。
*吐き出したものは未消化で、もう一度食べ直すこともあります。
3.猫の毛球症(もうきゅうしょう)
猫が毛玉を吐くのは通常ですが、毛玉が胃や腸で大きくなり過ぎて詰まってしまうことがあります。
この症状を毛球症といい、毛球症の症状は「食欲低下」「吐き気」「便秘」などがあります。
毛球症は猫以外のウサギなどにもみられますが、放っておきとどんどん大きくなり、食事も排泄もできなくなると命の危険に及びます。
毛玉が大きくなって、吐き出そうとして窒息に繋がる危険・胃や消化器に詰まった毛玉は開腹手術で取り除かなくてはならなくなります。
4.猫の毛球症を予防
毛球症になると大変なことになるので、普段から気を付けてケアをしてあげましょう。
・ブラッシング
1番有効なのがブラッシングです。
猫がグルーミングで飲み込む毛の量を、減らしてあげましょう。
長毛種は、念入りにブラッシングが必要です。
また換毛期は抜ける毛が増えるので、ブラッシングの回数を増やしましょう。
*猫の正しいブラッシングを参考にしてください。
・毛玉ケアフード・毛玉除去ジエル
毛玉ケアのフードには食物繊維が多く含まれていて、便と一緒に毛の排泄を促します。
毛玉除去ジェルにはワセリンや流動パラフィンが含まれていて、お腹で吸収されず便と一緒に毛の排出を促してくれます。
・猫草
毛球症にならないように葉先の尖っている猫草で、胃に刺激を与え、こまめに嘔吐をさせるのもよいでしょう。
5.まとめ
猫は吐くことが多いのですが、毛玉ではなく血が混じっている(時間が経つと酸化して茶色になる)嘔吐や、1日に胃液であっても何度も吐く・吐こうとするのに吐けないなどの症状がある場合は、獣医師に診てもらいましょう。
毛玉を作らないために1番は、やはりブラッシングです。
愛猫とコミュニケーションを取りながら、大切なブラッシングをしてあげてください。
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