犬も膀胱炎になるの?膀胱炎になったらどうすればいいの?
私たち人間もなる膀胱炎ですが、愛犬にも起こりうる病気です。
この病気は、私たち飼い主側からも気づきやすい病気なので、日ごろから排尿の様子を気をつけてあげましょう。
1.犬の膀胱炎
尿を排泄するのに通り道は、腎臓・尿管・膀胱・尿道があり尿路と呼ばれます。
そのうち下部尿路と言われるのが、膀胱と尿道です。
「膀胱炎」はその名の通り、膀胱に炎症が起きた下部尿路疾患です。
膀胱は尿をためたり、排尿したりする機能をもっていますが、膀胱が炎症を起こすことで機能に支障が生じます。
急に膀胱炎を発症する「急性膀胱炎」と言い、経過の長い膀胱炎を「慢性膀胱炎」と言います。
2.犬の膀胱炎の原因
- 感染
犬の膀胱炎で最も多いのが「細菌感染」です。
ブドウ球菌や大腸菌などの細菌が、尿道内に入り込みそのまま尿道を逆流し膀胱に炎症を起こします。
●尿路結石
細菌の次に多いのが、尿路結晶・尿路結石による膀胱炎です。
尿路結石とは、尿路結晶が固まり大きくなったものです。
●ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
尿のPhが強いアルカリ性になる
尿中のアンモニア濃度が高くなる
●シュウ酸カルシウム
通常シュウ酸は、腸の中でカルシウムと結合し便と一緒に排泄されますが、尿のPhが酸性に傾くと結晶化が進み、尿中に排泄され尿中のカルシウムと結合し、シュウ酸カルシウム結石となる
●膀胱腫瘍
老犬で気をつけたいのが、膀胱腫瘍による膀胱炎です。
危険な状態を引き起こす原因となります。
●前立腺炎
去勢をしていない雄の老犬が、気をつけたい膀胱炎です。
前立腺が炎症を起こし、隣接している膀胱まで広がることがあります。
3.犬の膀胱炎の症状
排尿のときに傷みで鳴く、残尿感から何度もトイレに行く、排尿姿勢で尿が出るまで時間がかかる、血尿が出るなどの症状があります。
・頻尿
膀胱炎になると、膀胱に少しでも尿がたまると尿意を催すようになり、そのため少量ずつの尿を何回もするようになります。
・血尿
膀胱からの出血で、尿に混ざり血尿を出すことがあります。
・排尿痛
膀胱内の炎症が尿道にまで広がり、排尿するときに傷みを伴います。
・排尿不全
排尿しづらくなる、または排尿が出来なくなります。
・尿の変化
細菌感染であれば尿が膿んだようにみえることや、大量の尿結晶があればキラキラと光っているように見えます。
また尿が臭うようになります。
*悪化させてしまうと危険な疾患「腎盂腎炎」「尿路閉塞」を引き起こします。
4.犬の膀胱炎の治療
膀胱炎の治療は、原因によって治療法が違います。
- 細菌感染
最も多い細菌感染が原因の場合は、2~3週間程度の抗生物質の投与をします。
症状が改善しないときは、細菌の種類を調べ細菌に合う抗生物質を投与します。
- 膀胱結石
ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石では、治療法が異なります。
①ストルバイト
療法食による食事療法で、結石を溶かします。
同時に抗生物質や消炎剤の投与で、膀胱炎に対する対症療法を行います。
②シュウ酸カルシウム
シュウ酸カルシウム結石は、結石を溶かすことはできません。
結石が大きくならないように食事療法を行い、膀胱炎に対しては抗生物質や消炎剤の投与を行います。
結石が大きくなり尿道を塞いでしまう恐れがあるときは、手術で結石を取り除きます。
- 膀胱腫瘍
腫瘍ができている部位によって、治療が異なります。
手術・抗がん剤・放射線などの治療を行います。
早い段階で発見し、適切な治療をすることが大切です。
*症状がよくなり途中で投薬をやめてしまうと、再発や慢性化になることがありますので、自己判断はせずに獣医師の指示に必ず従いましょう。
5.犬の膀胱炎の予防
犬は十分に尿を排尿することで、膀胱を洗い流し膀胱への細菌の定着を防いでいます。
排尿を長時間我慢することなく排尿を行え、飲水を十分に自由に出来るようにすることが、膀胱炎を予防することになります。
・排尿を長時間我慢させない
・水が十分に自由に飲める
・定期的な健康診断(尿検査も含める)
・早期発見・早期治療
6.まとめ
膀胱炎は薬を飲み始めると数日で良くなったように思い、投薬をやめてしまいがちですが、必ず最後まで投薬をしましょう。
細菌が膀胱に近い部位の腎臓に尿管をつたって入り込んでしまうと、腎盂腎炎を起こしてしまうことがあり、細菌が全身に回って「敗血症」「尿毒症」を起こすなど、命に関わる重篤な状態になる可能性があります。
必ず獣医師の指示に従い、しっかり完治させましょう。
また日常から予防をし、膀胱炎になりずらくしてあげましょう。
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