愛犬の毛が抜けるのは生理的なもの?病的なもの?

 

愛犬の毛が薄くなってきている、または気が付いたら毛が薄い(無い)とういうことがある飼い主さんもいると思います。

犬には、生理的な「換毛」と病的な「脱毛症」があります。

換毛による「脱毛」と、病気の「脱毛」は見分けがつくものなのでしょうか。

 

 

1.犬の換毛期とは

 

 

全身が毛で覆われている犬は、被毛の寿命や何らかの刺激などで一年中毛が抜けます。

また、ダブルコートの犬種は春と秋に換毛期を迎え、秋には寒さに備えてアンダーコートが厚くなり、春にはアンダーコートが抜け落ちます。

皮膚病の予防にもなるために、週に数回ブラッシングをして余分な毛を取り除いてあげましょう。

 

換毛期のないシングルコートの犬種、プードル・ヨークシャテリア・マルチーズ・イタリアングレーハンド・ミニュチュアピンシャーなど

パピヨンにはダブルコートとシングルコートの個体が存在します。

 

 

2.犬の脱毛症

 

換毛期の抜け毛は全身の毛が平均的に抜けますが、部分的に抜ける量が多い・左右非対称に抜ける・皮膚が丸見えになるほど抜けるなどは、脱毛症の可能性が高いといえるでしょう。

 

主な体の毛が少なる状態

・犬自身が自分で舐めることにより、毛が折れて抜ける

・犬自身が自分で舐めていないが、毛が抜けていく

・犬自身が自分で舐めていないが、一度抜けると新しい毛が生えない

 

脱毛症には痛みを伴いもの、痛みを伴わないものがあります。

 

 

3.犬の主な脱毛症の種類(痛みを伴うもの)

 

 

膿皮症

もともと一定数存在している常在菌が、何らかの原因でバランスが崩れて増殖してしまうことで起こります。

膿皮症については参考にしてください。

こちらの膿皮症も参考にしてください。

マラセチア皮膚炎

もともと一定数存在している常在菌のマラセチアが、増殖してしまうことで起こります。

マラセチア皮膚炎を参考にしてください

 

毛包虫症(ニキビダニ症)

もともと一定数存在している常在菌の毛穴に寄生している毛包虫が、増殖してしまうことで起こります。

毛包虫症を参考にしてください。

 

皮膚糸状菌症

糸状菌という真菌(カビ)に感染して症状を起こします。

皮膚糸状菌は、皮膚の角質層で増殖しながら毛穴の中に入り、毛自体を侵すことで脱毛します。

感染し脱毛が起こった場所を中心に、真菌の増殖が円状に進むことが多く、円形脱毛症が現れます。

まれに、人にも感染することがあるので注意が必要です。

 

疥癬(ヒゼンダニ症)

疥癬虫:ヒゼンダニが皮膚に寄生し、強い痒みを生じます。

疥癬を参考にしてください。

 

皮膚植物有害反応(食物アレルギー)

アレルゲンによって過剰反応を起こし、炎症反応を生じます。

食物アレルギーを参考にしてください。

 

犬アトピー性皮膚炎

何らかの刺激に体が過剰反応をし、皮膚が痒くなります。

犬アトピー性皮膚炎を参考にしてください。

 

 

4.犬の主な脱毛症の種類(痛みを伴わないもの)

 

甲状腺機能低下症

甲状腺から甲状腺ホルモンの分泌が少なくなる・出なくなる病気です。

甲状腺を参考にしてください。

 

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎からホルモンが過剰に分泌される病気です。

クッシング病を参考にしてください。

 

性ホルモン失調症

未去勢・未避妊の犬に発症し、男性ホルモンや女性ホルモンの過剰分泌が原因となります。

首・太もも・耳・腰・腹部などに脱毛がみられます。

 

アロペシアX(毛周期停止)

1~3歳の虚勢をしていないオスの多く見られ、毛の生え変わりが止まってしまうことで発症します。

原因は不明ですが、特定の犬種に発症が多いことから遺伝子的背景があり、毛周期の異常ではないかと考えられます。

以前はポメラニアンに多くみられましたが、現在ではポメラニアン・シベリアンハスキー・アラスカンマラミュート・トイプードル・パピヨンなどにも発生しています。

脱毛は美容上(見た目)の問題であり、犬の健康状態には影響しないと考えられています。

 

パターン脱毛症

現在では原因は不明ですが、一般では生後半年~1年ほどで発症するといわれます。

パターン脱毛症は左右対称で好発部位は、耳・首・腹部・尾部をいわれます。

 

淡色被毛脱毛症

遺伝性の脱毛で、グレー・シルバー・ブルーなどと淡いカラーの被毛の犬種に発症する脱毛です。

正確には脱毛というより、毛が折れやすく毛が生え変わっても外からの摩擦や軽い刺激で、簡単に毛が折れてしまうため抜けているように見えます。

 

黒色被毛形成異常症

体の被毛が二色以上ある犬種(ブラック・タンなど)で、黒色の被毛が薄くなるまたは脱毛します。

正確には毛が折れやすいので、生え変わっても新しい毛が折れてしまい脱毛しているように見えます。

 

その他の脱毛症

・血行不良、虚血

・心因性脱毛症

・栄養不良、妊娠、授乳期など

犬の心の病気も参考にしてください。

 

 

5.まとめ

 

犬の脱毛といってもさまざまな要因があります。

まずは換毛期なのか、病気によるものなのかを知る必要があります。

換毛期の場合は、皮膚病予防も兼ねてこまめにブラッシングをしてあげましょう。

また、病気によるものならいち早く要因を知るために獣医師に相談をしましょう。

皮膚への負担を減らすためにも、私たちは根気強く接していきましょう。

あれ?飼い猫が太った・・・もしかしてそれは猫のルーズスキンかもしれないです

 

飼い猫のお腹がたるんできたけど、最近太ったみたいと思っている飼い主さんもいると思います。

もともと成猫になると、猫のお腹は「たぷたぷ」となります。

この「たぷたぷ」たるみをルーズスキン(正式名称 プライモディアル・ポーチprimordial pouch)といいます。

 

1.猫のルーズスキンとは

 

 

猫の多くはお腹から後ろ足の付け根にかけて、たるんでいる部分があります。

このたるみをルーズスキン(締まりのない皮膚)と呼ばれます。

しかしルーズスキンは日本の表現で、英語ではプライモディアル・ポーチ(primordial pouch)と呼び原始的な袋と呼ばれます。

猫は子猫のときは、お腹がポンポンで皮膚のゆるみがなくルーズスキンがないように見えます。

成猫(1歳過ぎ程度)なるとルーズスキンが見えてくるのですが、個体差もありルーズスキンの大きさはさまざまです。

成猫でルーズスキンがないと思われても、きちんと必要なスペースは確保されています。

このルーズスキンは猫だけではなく、トラやライオン等のネコ科動物に見られるため、野生に近い猫の方がよく見られるといわれています。

 

 

2.ルーズスキンの役割

 

 

猫のお腹のたるみは、大型のネコ科にもルーズスキンがあることから、野生で生きていくために欠かせない役割があると考えられます。

主な大きな役割

腹部を守る

内臓や血管が集まる腹部は急所となります。

喧嘩や外敵に襲われたとき、スキンルーズ(お腹のたるみ)で内臓まで爪や牙が届きにくくなります。

そのためダメージを最小限で抑えられることが可能になります。

 

後ろ足を動かしやすくなる

ネコ科の動物は、爆発的な瞬発力で狩りをします。

猫の関節は柔らかく、可動域も広くなっています。

急な動き(ジャンプやダッシュなど)は、皮膚が突っ張ることもあります。

ルーズスキンは皮膚のつっぱりを予防し、チーターやヒョウなどのネコ科動物にとってルーズスキンは狩りに欠かせないのです。

 

 

3.ルーズスキンと肥満の違い

 

 

ルーズスキンと肥満は違います。

猫のお腹から足の付け根にかけてのたるみをつまみ、柔らかい皮膚のみが触れる場合はルーススキンです。

やや厚みがありぷよぷよしている感覚があると、肥満の可能性があります。

猫を上から見て、お腹にくびれがあればルーズスキンの可能性が高いです。

肥満かどうかを確認するには猫の太りすぎに注意を参考にしてください。

 

 

4.まとめ

 

猫は太ってしまうとダイエットは大変です。

しかしルーズスキンは猫にとってとても大事なものなので、ルーズスキンと太りすぎの見極めは大切なことです。

飼い猫が太ったかなと思ったら、一度触って確かめるといいですね。

春になると体調不良を起こす犬が多いのはなぜなのでしょうか

 

寒い冬が去り、過ごしやすい気候になって愛犬との散歩が楽しくなる春なのに、愛犬が体調不良になってしまうなんて感じたことはありませんか。

なぜ暖かくなる春に体調を崩してしまうのか。

体調を崩す大きな原因を考えてみましょう。

 

1.花粉症

人間と同じように犬にも花粉症があります。

症状が人間と違って皮膚に出るため、私たちは花粉症だと気づきにくいのです。

春になると皮膚を搔くので、「皮膚病かしら」「もうノミ?」などと思いがちです。

しかし、特定の時期だけに出る「痒み」や「炎症」ならば、花粉症なのかもしれません。

花粉によっては、アトピー皮膚炎や外耳炎を併発することもあるので、早めに気が付いて病院で診てもらうことが大切です。

犬猫にも花粉症?を参考にしてください。

 

2.皮膚炎

多くの犬は、春から夏に向けて換毛期を迎えます。

抜けた毛はもちろんのこと、古くなった皮膚がフケとして出るので、手入れをしないと皮膚炎になる原因にもなります。

換毛をスムーズにするためにも、こまめにブラッシングをしてあげましょう。

また、暖かくなると外にいるノミが活発になります。

予防薬の投与や部屋のこまめな掃除、散歩から帰ってきたらフラッシングをするなどと、しっかり予防をすることが大切です。

 

3.胃腸炎

春は昼間は過ごしやすくなっても、朝晩はまだ冷え込み寒暖差があります。

寒暖差は、下痢や嘔吐などの胃腸の症状を引き起こしやすくします。

ひどくならないうちに、早めに病院で診てもらいましょう。

 

4.熱中症

春に熱中症?って思う方も多いと思います。

春先の気温は不安定です。

犬は寒さより暑さに弱いので、春でも熱中症の危険があえいます。

人間は汗をかき体温を下げますが、犬は汗をかいて体温調節はできません。

春先は気温とともに湿度もあがるので、愛犬が口を開けてハァハァと呼吸をしていたら、日陰の風通しの良い場所に移動させ、水分補給を行いましょう。

*短時間でも犬を車内に放置しないようにしましょう。

 

5.気圧の変化

私たち人間にも気圧の変化が原因となる「気象病」があるように、犬にも気圧が原因で頭痛や関節症が悪化することがあります。

てんかん発作を持っている犬は、季節前に獣医師の指示を仰いでおきましょう。

関節症の犬は無理に散歩をするなどせず、患部の痛みが和らぐように温めたりしてゆっくりと過ごしましょう。

 

 

6.春の植物

春の植物を誤食したことで、中毒症状がでることがあるので注意しましょう。

・チューリップ:球根に毒があり、激しい皮膚炎や口内炎が起こります。また摂取量によっては、神経麻痺から心不全を起こすこともあります。

 

・アサガオ  :下痢や嘔吐、血便などの消化器症状を起こします。

 

・ユリ    :犬猫には毒性が強く、下痢・嘔吐・神経症状、腎不全からの尿毒症、昏睡から死に至ることもあります。

 

*水仙、シクラメン、カーネーションなどにも注意が必要です。

 

誤食に気づいたら早急に病院で診てもらいましょう。

 

まとめ

 

私の愛犬もあれよあれよと大腸炎までなってしまったり、皮膚にはポツポツと出たり、外耳炎になってしまったりと春先にはありました。

体調を崩さないように部屋の温度を変える、皮膚のお手入れをする、また食べ物にも気を付けてあげてください。

それでも体調を崩してしまったら、早めに気が付いて病院で診てもらい治療をし、楽しく春のお出かけや日々を穏やかに過ごしてください。

犬の肉球が冷たい。靴下を履かせた方がいいのか犬にも冷え性ってあるものなのでしょうか

寒い季節や夏でもエアコンが効いている部屋にいると、愛犬の肉球が冷たい感じたことがある飼い主さんも多いと思います。

あまりにも冷たいので靴下や靴を履かせようかと考えた方も少なくはないでしょう。

では犬の肉球の構造と役割、そして何故冷たい肉球になるのか考えてみましょう。

 

 

 

1犬の肉球の構造

私たちが普段言っている肉球には、それぞれの名前や役割があります。

・「掌球(しょうきゅう)」と「足底球(そくていきゅう)」

  手足の真ん中にある大きな肉球

  体重を支える・地面との摩擦の軽減・衝撃の軽減

 

・「指球(しきゅう)」と「趾球(しきゅう)」

  手足の前にある爪の生えていつの小さな肉球

  地面をしっかりと包む・踏みしめる

 

・「狼爪(ろうそう)」

 前足の内側の私たち人間の親指にあたるもの

 野生の時代では崖を登るときに引っ掛け・獲物をしっかり抑えつけるのに使います。

 現在では小型犬には退化して後ろ足にはないこともあります。

 

・「手根球(しゅこんきゅう)」

  手首あたりに小さく丸い形をしており、地面に着くことはなく前足のみにあります。

  犬が進化をする間に退化した肉球といわれ、現代では使うことのない肉球です。

 

 

 

2犬の肉球の役割

 

犬の肉球の主な役割は

・滑らない

 犬の肉球は表面に細かい組織が密集いており、触った感じではザラザラしています。

 犬の先祖の狼は、北の地域に住んでいてこの組織があるため雪や氷の上でも滑らずに走ることができます。

 爪が大地や雪をつかむスパイクの役割をし、肉球が滑らずに走ったり方向転換をする役割をしています。

 

・クッション

 柔らかい肉球は弾力があり、走る・ジャンプするなどの衝撃を受け止めてくれます。

 

・寒さ

 肉球には静脈と動脈がくっついているため、体が冷えにくくなっているため雪や氷に触れても体が冷えないようになっています。

 

・汗

 犬は汗腺が肉球に少しあるだけなので、体温調節はパンティング(口でハァハァする)で調節します。

 パンティングだけで調節できないときは足の汗腺から汗をだすこともありますが、肉球は体温調節の機能はあまり大きくありません。

 肉球はアポクリン汗腺と呼ばれるマーキングのための臭い付けや、肉球の保湿のために汗を出します。

 

 

 

3.犬の肉球の冷え

 

元気な成犬の肉球が冷たいのは身体の冷えに伴って肉球が冷たくなるので、一時的に冷えてしまった場合は身体が温まることで肉球の冷えも治まることが多いです。

しかし常に冷たい、また免疫力の低い子犬やシニア犬は冷え性を疑うべきこともあります。

シニア犬の場合は運動力が減り、胃腸の動きが悪くなり血液の循環が悪くなったりと、四肢未端が冷えやすくなります。

また、シングルコートの犬種も寒さには弱いので寒さに注意をしてあげてください。

 

 

 

4肉球が冷たいと心配な病気

 

犬も人間と同じように、慢性の冷え性があります。

体力や病気に対する抵抗力の低下を起こすことがあるので、冷え性で心配な主な病気を知っておきましょう。

 

・呼吸器系

 肺炎や細菌・ウイルス感染などによる気管支炎の発症。 

 鼻・喉・気管支の炎症で咳がひどくなると、呼吸困難になることがあるので早めに病院で診てもらいましょう。

 

・泌尿器系

 夏と違い冬は水を飲む量が違います。

 そのため泌尿器系(腎臓・輸水管・膀胱・尿道)の疾患が出やすくなるので、尿の回数や尿の色などに変化はないか、変化がある場合は獣医師に相談しましょう。

 

・低体温症

 犬の平熱は38.5℃前後といわれます。(個体差はあります)

 低体温症の主な原因は手術による麻酔・甲状腺機能低下、また生まれたばかりの子犬や老犬にも発症しやすいといわれます。

 低体温症は徐々に症状が進行しますので、軽度のうちに気が付くことが大切です。

 犬にも個体差の平熱があるので、定期的に検温して平熱を知っておきましょう。

 

・感染症

 予防接種をしているからといって完全に予防ができると思ってはいけません。

 子犬や老犬または抵抗力の弱い犬、また予防接種をしていない犬など要注意です。

 

 

 

5まとめ

 

犬にも冷え性はあります。

日ごろからスキンシップを取りながら愛犬にマッサージをしてあげる、散歩から帰ってきたら肉球クリームを使い肉球の手入れをしてあげるなどし冷え性を早期発見できるように心がけましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬猫にも花粉症があるけど症状が人とは違うので知っておこう

犬猫にも私たちと同じように花粉症があります。

犬猫に花粉症といっても、私たちみたいに鼻炎やくしゃみばかりしている犬猫を、あまり目にしないと思われたかもしれません。

犬猫の花粉症のイメージがわかないと思いますが、実は症状が私たちとは違うのです。

 

 

1.花粉症とは

 

 

花粉症とは植物のスギ・ヒノキ・ブタクサなどの、花粉によって起こるアレルギー性の疾患です。

異物である花粉(抗原)が体内に入ったときに、排除しようと免疫反応が過剰になることで発症します。

 

 

2.犬猫の花粉症

 

 

犬や猫にも、さまざまなアレルギーがあります。

そのアレルギーの中のひとつで、アレルゲンが花粉が原因になるものが花粉症といわれます。

 

主な花粉症の原因

・スギ:2~4月

・ヒノキ:3~5月

・カバノキ科(シラカバ・ハンノキ):4~6月

・イネ:5~10月

・ブタクサ:8~11月

・ヨモギ:8~10月

 

犬猫の花粉症の症状は、人と違って皮膚に出るアレルギーが多いのです。

なんらかのアレルゲンによってでる皮膚アレルギー症状は、「アレルギー性皮膚炎」と診断されます。

大きな枠の「アレルギー性皮膚炎」の中で、アレルゲンが特定できた場合は「ノミ・ダニアレルギー」「食物アレルギー」「アトピー性皮膚炎」などと呼ばれます。

花粉症も同じように、アレルゲンが花粉だと判明した場合は「花粉症」といわれます。

 

 

3.犬猫の花粉症の症状

 

 

犬猫の花粉症の主な症状

 

皮膚のかゆみ・炎症

犬猫の花粉症で多い症状は、皮膚のかゆみ・炎症です。

皮膚にかゆみがあるため、犬猫は身体をなめたり・足の爪で引っかいたりしてしまい、さらに炎症を広げてしまいます。

また、引っかいてしまった傷口にブドウ球菌などの細菌が入ってしまうと、腫れや発熱などの感染症になることもあります。

特定の時期だけになる花粉症、花粉によってのアトピー性皮膚炎と外耳炎は併発することが多いです。

 

くしゃみ・咳・鼻水

犬猫の鼻に花粉が入ると、一時的にくしゃみを連続にすることがあります。

花粉が喉に入ると、花粉を排除しようと咳をすることもあります。

*「ブーブー」「フガフガ」などと逆くしゃみのような症状がでます

犬の逆くしゃみを参考にしてください。

 

犬は比較的に、くしゃみ・咳・鼻水などは少なく(鼻水が出ても、なめてしまうので気づきずらいです)、猫は比較的に人と似た症状でくしゃみ・目のかゆみ・鼻水の症状がでることがあります。

 

 

4.犬猫の自宅でできる花粉症対策

 

 

花粉症対策は、人と同じように花粉を自宅に持ち込まないことが大切です。

 

散歩

・時間帯を変える

花粉の飛散は、お昼ごろまでと夕方の時間帯に多いので、夕方前くらいの時間帯にすると良いと思います。

 

・花粉が体に付着させないように洋服を着せる

帰宅したら洋服を脱がせ、洗濯をして花粉を持ち込まないようにしましょう。

 

・散歩から帰ったらブラッシングをして花粉を落とす

散歩から帰ってきたら、身体を拭いたり・ブラッシングをして花粉を落としましょう。

 

 

 

環境

・空気洗浄機の導入

・こまめに掃除をする

・換気は花粉の飛散が少ない時間帯にする

・洗濯物は室内干しか乾燥機を使う

・飼い主も家の中に花粉を持ち込まないようにする

 

 

皮膚バリア

皮膚が乾燥して皮膚バリアの機能低下した状態だと、花粉のアレルゲンが皮膚に侵入しやすくなるため、保湿ケアをしましょう。

保湿ケアといっても人用の保湿剤は、犬の皮膚は薄いので使用すると悪化させることがあります。

獣医師と相談して、犬猫用の保湿剤をしようしましょう。

 

また、普段からワセリンを薄く塗っているのも保湿剤として良いかもしれません。

犬ぬ使えるワセリン

・ベビーワセリン

・ワセリンHG(不純物を取り除いている)

・プロペトピュアベール(べたつきが少ない)

・白色ワセリン(不純物が少ない)

 

*犬猫の皮膚の状態もあるので、獣医師に相談してワセリンを使用してください。

ワセリンは犬猫にも使えるの?も参考にしてください。

 

5.まとめ

 

 

人にとっても、犬猫にとっても花粉症はつらいものです。

犬猫がかゆがっていたり、連続でくしゃみ・咳・鼻水がでていたら、早めに獣医師に相談してください。

もし花粉症になってしまったら、獣医師と相談をしながら上手に症状をコントロールしましょう。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

夏に多いと思っていた食中毒、実は秋が一番多いのはなぜなんでしょう

 

夏は暑いし食中毒に気を付けますが、過ごしやすくなり「食欲の秋」といわれる9月~11月が1年を通して最も多くの食中毒が発生します。

でも最も多いのが夏ではなく、なぜ秋なのでしょうか。

 

 

1.食中毒とは

 

 

 

食中毒とは、なんらかの有毒・有害物質が食品の中に入っていて、それを飲食し急性障害(胃腸炎など)を引き起こす疾患です。

年間で700~1400件(農林水産省より)報告されています。

一般的な症状としては、発熱・腹痛・下痢・嘔吐などの消化器系の症状が多く、重症な場合には脱水症状なり心・腎機能などの重篤な合併症をひき起こすことがあります。

 

農林水産省より

2.食中毒の原因

 


食中毒は湿度の高い梅雨時、気温の高い夏のイメージがあります。

もちろん1年を通してどの時期でも食中毒はありますが、秋に増えやすいのはなぜなんでしょうか。

 

・夏の暑さ・残暑で夏バテが長引き免疫力・体力が戻っていない

・運動会やバーベキュー・お祭りなどの野外イベントが多くなり、お弁当や加熱不足な食材・衛生管理が不十分な食材を食べてしまう。

・キノコや山菜を取って自然毒や魚類の寄生虫を食べてしまう

 

食中毒を引き起こす原因

「細菌」「自然毒・寄生虫」「ウイルス」と大きく分けられます。

3.食中毒を引き起こす細菌・ウイルス・毒

 

 

サルモネラ菌

・卵・肉類・猫・犬・鳥・爬虫類など、さまざまな動物の体内に生息しています。

・サルモネラ菌は、高湿や35℃~43℃の温度で活発に増殖します。

・−7℃では発育できず、しかし死滅することはないので、食中毒予防としては「よく加熱する」ことです。

 

黄色ブドウ球菌

・肉類に限らず、私たち人間の体にも生息しています。

・私たちの鼻腔、咽頭、腸管や傷口にも生息しており、食品の上でも増殖します。

・毒素は耐熱性が高く、一度毒素を作ると通常の加熱では分解されません。

・傷やニキビなどを触った手で食べ物に触ると菌が付くため、おにぎりや自家製の漬物など菌が付いた手で触れてしまうものには注意が必要です。

 

腸炎ビブリオ菌

・海水などに分布している好塩性細菌で、生の魚介類が原因です。

・塩分1%~8%で増殖しますが、真水には弱い特徴があります。

・10℃以下では発育せず熱にも弱いため、よく洗い菌を洗い流すこと・加熱することが予防となります。

 

カンピロバクター

・肉類(特に鶏肉)・飲料水・生野菜が原因です。

・十分に火が通ってない鶏肉、十分に洗っていない野菜、井戸水や湧き水などは注意が必要です。

・乾燥に弱く、加熱すれば菌は死滅します。

食中毒の発生件数が一番多く、「ギランバレー症候群」という手足の麻痺や呼吸困難を引き起こさせることもあります。

*「ギランバレー症候群」とは

自分を守る免疫に異常が起こり、自分の末梢神経を攻撃(自己免疫)することで急速に手足の感覚がおかしくなり、力が入らなくなります。

発症から数日で症状が悪化し、寝たきりや息がしにくくなり人工呼吸器が必要になる場合もあります。

症状は1カ月以内がピークで、その後は改善されますが10%~20%の方が後遺症に苦しんでいます。

 

腸管出血性大腸菌

・肉類やよく洗っていない野菜などが原因です。

・O-157やO-111が有名です。

・十分な加熱で防げます。

・集団中毒で知られているO-157は腸管出血性大腸菌と呼ばれ、症状がひどいと重い後遺症や命にかかわることがあります。

 

ウェルシュ菌

・肉類に発生することが多く、加熱しても死滅しません。

・酸素を嫌い、カレーやスープなどの煮込み料理を温かいまま置いておくと菌が増えていきます。

・大鍋で作った料理を数時間置いた後に食べるなどせず、調理したものはすぐに食べる・すぐに冷やして(10℃以下)小分けして保存しましょう。

 

ノロウイルス

・カキ・アサリ・シジミなど二枚貝を生や十分に加熱していないで食べる、ウイルスに汚染された水道水や井戸水を飲んで感染します。

・熱に弱く85℃以上で1分間加熱をする、またノロウイルスに感染している人の嘔吐物などからも感染するので、石鹼などでよく手を洗いましょう。

 

アニサキス(寄生虫)

・サバ・アジ・サンマ・イワシ・カツオ・サケ・イカなどの魚介類に寄生しています。

・アニサキスの幼虫は、長さ2~3cm・幅1mmくらいの白い糸のように見えます。

・70℃以上の熱(60℃ならば1分加熱)で加熱するか、-20℃で24時間冷凍することで死滅します。

 

自然毒

・キノコ・山菜の中には毒をもっているものがあります。

・ジャカイモの芽、または芽を取っても毒素が広がっている表面が黄緑~緑色のものを食べると中毒を起こします。

・フグ毒は毒素の中でも非常に強いので、必ず免許を持っている方に調理をしてもらいましょう。

4.まとめ

 

 

食中毒を起こさないため、しっかりと手を洗い・肉や魚はしっかりと火を通す・早めに食べる・はやめに保存をし食べるときはしっかり加熱をするなどして「食欲の秋」を楽しみましょう。

食中毒になってしまったら、自己判断はせずに早めに病院で診てもらいましょう。

症状がひどい場合は、ためらわずに救急車を呼び重症化しないように注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

犬猫の毛穴に寄生する毛包虫というダニがいる。毛包虫が起こす症状を知っておこう。

 

 

動物の毛穴に寄生するダニで、「ニキビダニ」「アカラス」とも言われる毛包虫症があります。

ダニと聞くと「え?」と思いがちですが、毛包虫は健康な動物の皮膚にも常在しています。

では毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)とは、どのような病気なのでしょうか。

 

1.毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)とは

 

 

毛包虫は私たち人間にも、すべての哺乳類の毛穴にある毛包に寄生している常在寄生虫です。

体長は0.2~0.3mmの小型で細長い形態のダニで、肉眼では確認できず顕微鏡でしか確認はできません。

常在寄生している毛包虫ですが、毛穴の皮質を栄養として増殖し過ぎると毛包虫症を引き起こします。

犬猫が毛包虫症を発症しても、私たち人間に移ることはありませんが、多頭飼いしていると犬から犬へ・猫から猫へと感染することがあると言われています。

 

 

2.毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)の症状

 

 

毛包虫症の主な症状は、顔面や口・目の周り・四肢の先端の脱毛が起こります。

また、皮膚が赤くなる・フケがでるなどがあり、寄生する毛包虫の種類によっては激しい痒みがでることがあります。

症状の進行や重症度によっては、全身に症状が広がります。

細菌に感染すると、毛穴に水泡の膿がたまり化膿や出血・浮腫みなどの症状がでます。

この症状が悪化すると敗血症などを引き起こし、命にかかわることがあります。

 

 

3.毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)の原因

 

 

毛包虫は正常な皮膚にも少数存在していますが、何らかの原因で免疫が低下していると発症すると考えられます。

主な免疫低下の原因

・子猫、子犬

・老描・老犬

・出産

・発情

・慢性疾患、全身性疾患

・皮膚バリアの低下

・遺伝的要素

・高温多湿の気候

・アレルギー性皮膚炎など

 

 

4.毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)の治療

 

 

 

殺ダニ効果のある薬浴内服薬外用薬が、主な治療です。

治療は免疫力に大きく関わる病気なので、焦らず日々行うことが大切です。

治療には長い期間がかかるため、獣医師の指示に従い確実に行い完治を目指しましょう。

5.まとめ

 

 

毛包虫症(ニキビダニ・アカラス)は発症の状態によっては、治療に長い期間が必要になります。

かわいい家族のため飼い主さんの正しい理解と日々の治療が、かゆみや痛みから解放してあげることができます。

あきらめずに気長にゆっくりと、完治を目指しましょう。

 

猫には猫ニキビと呼ばれる痤瘡(ざそう)という疾患もあります。

ニキビダニとは違う病気なので、猫ニキビも参考にしてください。

犬のアジソン病の症状はどのように出るのでしょうか

食欲がなく嘔吐や下痢をすることや、たくさん水を飲むことなどでバテているのかなと思いがちですが、比較的若い時期の成犬の雌にみられることがある、アジソン病という病気があります。

1.犬のアジソン病とは

アジソン病とは、副腎皮質から分泌されるホルモンが少なくなってしまう病気で、副腎皮質機能低下症とも呼ばれます。

副腎は生命を維持するために大切なホルモンを分泌する器官で、副腎皮質と副腎髄質に分けられます。

アジソン病(副腎皮質機能低下症)は副腎皮質からのホルモンの分泌が低下して発症する病気で、反対に過剰に分泌してしまう病気にクッシング病(副腎皮質機能亢進症)があります。

2.犬のアジソン病の症状

主に元気がない・下痢をする・食欲がないなどと一過性の胃腸炎かと思ってしまいがちです。

症状

ホルモンの低下により、さまざまな症状が発症します。

・虚弱

・体重減少

・食欲や食事量の低下

・嘔吐

・下痢

・あまり動かない

・多飲、多尿

・徐脈

・震え

残念ながら飼い主さんにアジソン病だとすぐにわかる特徴がないため、重症化して初めて気づくことも多いです。

それだけに注意が必要で、おかしいと思ったら早めに獣医師に相談してください。

3.犬のアジソン病の原因

アジソン病(副腎皮質機能低下症)の原因は、副腎自体の障害と脳の下垂体の障害があります。

犬のアジソン病の原因として多いのは、特発性といい検査では原因がわからない副腎の萎縮によるものです。

ほかには、副腎への腫瘍の転移や感染症・クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の治療が原因の場合があります。

下垂体の障害は、腫瘍や炎症・感染などが原因となりますが、下垂体が原因であるアジソン病(副腎皮質機能低下症)は稀です。

4.犬のアジソン病の治療

犬が副腎クリーゼという重度の副腎不全を発症すると、循環血液量が低下しているため、入院して点滴治療をします。

食欲が回復するまでは入院が必要ですが、食欲や元気がある状態であれば基本的に内服薬治療になりますが、生涯にわたって飲む必要があります。

適切な治療を行っていけば寿命まで生きることができますが、治療を行わないと命を落とすことになります。

5.まとめ


アジソン病は完治が難しく生涯にわたって治療が必要ですが、きちんと薬を飲ませ続ければ健常な犬と変わらずに生きていけるので、適切な治療を行いましょう。

夏に多い肩こりの原因は何でしょうか

夏になってクーラーの効いた部屋に居続けると血行が悪くなり、クーラー病(冷房病)で体調不良を引き起こすことがあります。

冷えによる血行不良と、寒い時に血管収縮のコントロールをする自律神経の乱れからも、肩こりを引き起こすことがあります。

 

 

1.肩こりになる原因

 

肩こりは慢性化してしまうと、症状が悪化する可能性があります。

まず、自分の肩こりの原因を確認しましょう。

 

1.同じ姿勢で長時間座っている

肩こりは肩甲骨周りの筋肉がこわばって発生することが多いのです。

・顎や顔が前に出ている

・猫背になっている

・肩が上がっている

・作業台が肘より高い位置にある

など、肩甲骨周りの筋肉に負担がかかり、肩こりになりやすくなります。

 

 

2.身体の冷え

身体が冷えて血行が悪くなることも、原因のひとつです。

冬はもちろんのこと、夏の冷房で身体が冷えてしまい、交感神経と副交感神経が体温のバランスを整えようとすることで、自律神経が乱れ肩こりの痛みにつながることがあります。

 

3.運動不足

慢性的な運動不足が続くことで、筋肉が弱くなります。

筋肉が弱まることで首や肩に負担をかけ、肩こりにつながります。

パソコンや携帯電話を長時間操作している方は、注意しましょう。

携帯電話を長時間操作していると、頭を下に向ける姿勢が続くので、首を痛めることがあります。

 

4.ストレス

ストレスを溜めることで自律神経が乱れ、肩こりを引き起こすことがあります。

 

 

2.肩こりのチェック

 

肩こりの原因となる筋肉の鍵は、肩甲骨周辺にあります。

長時間ん同じ姿勢を続ける、肩甲骨が外側に広がったままで動かないなどで、肩甲骨周辺の筋肉の血行が悪くなり硬くなりやすくなります。(肩甲骨は上記の写真を参考にしてください)

 

・肩甲骨の動きのチェック

1.壁などに背をつけ立ち、手のひらは下向きで腕を伸ばしたまま、肩の横の位置まで上げます。

2.そのままの姿勢で腕を上げていき、肩の位置(1.の位置)から腕が上がったところまでの角度をチェックします。

・0~45度

肩甲骨周辺の筋肉が硬くなっており、肩甲骨の動きが悪い

 

・45~60度

肩甲骨周辺の筋肉が少し硬くなっており、肩甲骨の動きも悪い

 

・60~90度

肩甲骨は柔軟に動いている

 

 

3.肩こりストレッチ

 

今回は、肩甲骨の周辺の僧帽筋の凝りを和らげる簡単なストレッチです。

僧帽筋は、首から肩にそして背中に大きく広がっている筋肉で、腕を持ち上げる・腕を引っ張る動作をサポートする筋肉です。

 

1.両指を組み、手の高さはおでこのあたりで後頭部にに回してセットします。

2.腕を内側に絞り、首を真下に向けます。

3.頭を落とすと、首の後ろや背中が伸びます。

*頭は内側に引っ張らずに、必ず真下に落としてください。

 

 

4.まとめ

 

最近肩が凝っている・頭痛があるなど感じたときは肩甲骨の動きのチェックをし、腕が上がっていないようなら姿勢を正す・ストレッチをするなどして、肩甲骨周辺の筋肉をほぐしてください。

夏は頭痛も多い季節です。頭痛も参考にしてください。

乳酸菌とビフィズス菌の各種類(英数字)の体内での活躍

 

私たちの腸内には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類がいます。

腸内環境を整えてくれる善玉菌のために、乳酸菌やビフィズス菌をヨーグルト・牛乳・乳酸菌飲料・サプリなどから摂取したりします。

しかし、パッケージを見るといろいろな菌や株といった文字を目にしますが、この違いは何なのでしょうか。

腸内環境を参考にしてください。

 

1.乳酸菌とビフィズス菌の違い

乳酸菌もビフィズス菌も善玉菌ですが、それぞれが生息する場所が違います。

 

乳酸菌

主に小腸に生息しており、糖分をエサに有機酸である乳酸を生産する働きをし、腸内を酸性に保ちます。

酸素を嫌う「嫌気性菌」なのですが、乳酸菌はある程度酸素があっても生きられます。

ヨーグルトなどの乳製品のほか、チーズ・味噌・キムチ・漬物のほかにも、さまざまな発酵食品にも乳酸菌が使われ小腸に住みつきます。

例えば

・発酵食品・乳飲料・ヨーグルトに含まれるラクトバチルス菌

・生きたまま腸に届けることが可能なクレモリス菌

・乳酸菌の死菌で免疫システムの活性化や花粉症の緩和に有効なフェリフス菌

ほかにも約200種類も存在します。

 

ビフィズス菌

 

ビフィズス菌も乳酸菌の一種ですが、ビフィズス菌は酸素ががあると生きて活動ができません。

そのためビフィズス菌は、酸素が届かない大腸の最後部・S状結腸から直腸にかけての腸内フローラの中に生息します。

大腸はアリカリ度が胃や小腸に比べ高くなりやすく、有害な細菌が増えやすい消化器です。

ビフィズス菌が生み出す乳酸や酢酸で悪玉菌を抑制し、腸内環境を中性から弱酸性を保つ働きをします。

これが大腸の有害菌の繁殖を抑え、腸内環境を整えます。

例えば

・世界で最初に発見されたビフィズス菌は、整腸作用・免疫力の向上・コレステロールの低下・ビタミンBを作り出す働きがあります。

・ロングム菌は大腸にまでしっかり届くため、悪玉菌の繁殖抑制・整腸効果また継続摂取で花粉症の緩和効果が期待できます。

 

 

2.乳酸菌とビフィズス菌の主な種類

 

 

私たちが口にする乳酸飲料やヨーグルトなどに、表記されている乳酸菌やビフィズス菌にはいろいろな数字や名前がかかれていますが、その効果の違いがよく分からない人も多いと思います。

一般的に、スーパーなどで売られている乳酸飲料やヨーグルトの中で、何点かの違いを知っておくと便利でしょう。

 

LB81乳酸菌

ブルガリア菌2038株と、サーモフィラス菌1131株の2つを組み合わせたものをいいます。

LB81はよく知られている明治ブルガリアヨーグルトを作るために選ばれた乳酸菌です。

腸内環境を改善し、便通えを改善する働きがあります。

 

R-1乳酸菌

ラクトバチルス・ブルガリクスOLL1073R-1株からR-1と短く呼ばれています。

R-1乳酸菌はブルガリア菌の一種です。

乳酸菌はおなかの中で多糖体(EPS)を作り出しますが、EPSは免疫機能を活性化してくれ、R-1乳酸菌はEPSをたくさん作ってくれるのが特徴です。

免疫機能を活性化してくれる乳酸菌です。

 

LG21乳酸菌

LactbacillusGasseriOLL2716株のLGを取り、21世紀への希望を込めてLG21と名付けられた乳酸菌です。

強酸性で胃酸への抵抗力があり、胃内のピロリ菌に対して抑制効果を発揮することが確認されています。

また、動物の腸内フローラのバランスを改善します。

ビフィズス菌BB536

ビフィドバクテリウム・ロンガムという菌で、人のおなかに住む種類です。

ロンダム菌は大腸にまで届く菌で、悪玉菌の繁殖を抑え腸内環境を整える働きをします。

 

ビフィズス菌BB-12株

プロバイオティクスの1つとしても知られて、高い耐酸性能力があります。

ヨーグルトなどの発酵乳製品の中ではもちろんのこと、胃酸や胆汁といった酸性の環境の中でも生存し、生存率はビフィズス菌の中で最高です。

腸まで届いたBB-12株は、整腸作用によって便通の正常化や整腸作用によって、大腸菌やウエルシュ菌といった悪玉菌を減少する働きがあります。

 

ビフィズス菌SP株

旧雪印乳業(snow probiotics)が、人の腸に存在するロングム菌から発見したことで、旧雪印乳業の頭文字からSP株と名付けられました。

大腸に長く定着しやすく、便通を整えキラーT細胞と呼ばれる病原体を排除しようとする細胞を、活発化させる効果もあるといわれています。

 

短鎖脂肪酸

近年の研究では、短鎖脂肪酸にも注目が集まっています。

短鎖脂肪酸とは、酢酸・酪酢・プロピオン酢などの総称。

短鎖脂肪酸は、通常分解される胃や腸で分解されない物質の食物線維や難消化性オリゴ糖・糖アルコールなどが大腸の腸内細菌によって発酵分解されて生成されます。

通常の細胞は血液から栄養を受けますが、大腸の上皮細胞に限り血液からの栄養よりも腸内細菌による発酵で作り出された短鎖脂肪酸を優先的にエネルギーとして補給する性質を持っています。

3.まとめ

 

いろいろな乳酸菌・ビフィズス菌が販売されていますが、自分に合った乳酸菌・ビフィズス菌を選ぶことが大切です。

たとえ大腸まで乳酸菌・ビフィズス菌が生きたまま届かなくとも、死んだ乳酸菌・ビフィズス菌が善玉菌のエサとなり善玉菌を増やしてくれます。

腸内環境を整えて、健康に毎日を過ごしましょう。


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