犬猫にも私たちと同じように花粉症があります。
犬猫に花粉症といっても、私たちみたいに鼻炎やくしゃみばかりしている犬猫を、あまり目にしないと思われたかもしれません。
犬猫の花粉症のイメージがわかないと思いますが、実は症状が私たちとは違うのです。
1.花粉症とは
花粉症とは植物のスギ・ヒノキ・ブタクサなどの、花粉によって起こるアレルギー性の疾患です。
異物である花粉(抗原)が体内に入ったときに、排除しようと免疫反応が過剰になることで発症します。
2.犬猫の花粉症
犬や猫にも、さまざまなアレルギーがあります。
そのアレルギーの中のひとつで、アレルゲンが花粉が原因になるものが花粉症といわれます。
主な花粉症の原因
・スギ:2~4月
・ヒノキ:3~5月
・カバノキ科(シラカバ・ハンノキ):4~6月
・イネ:5~10月
・ブタクサ:8~11月
・ヨモギ:8~10月
犬猫の花粉症の症状は、人と違って皮膚に出るアレルギーが多いのです。
なんらかのアレルゲンによってでる皮膚アレルギー症状は、「アレルギー性皮膚炎」と診断されます。
大きな枠の「アレルギー性皮膚炎」の中で、アレルゲンが特定できた場合は「ノミ・ダニアレルギー」「食物アレルギー」「アトピー性皮膚炎」などと呼ばれます。
花粉症も同じように、アレルゲンが花粉だと判明した場合は「花粉症」といわれます。
3.犬猫の花粉症の症状
犬猫の花粉症の主な症状
皮膚のかゆみ・炎症
犬猫の花粉症で多い症状は、皮膚のかゆみ・炎症です。
皮膚にかゆみがあるため、犬猫は身体をなめたり・足の爪で引っかいたりしてしまい、さらに炎症を広げてしまいます。
また、引っかいてしまった傷口にブドウ球菌などの細菌が入ってしまうと、腫れや発熱などの感染症になることもあります。
特定の時期だけになる花粉症、花粉によってのアトピー性皮膚炎と外耳炎は併発することが多いです。
くしゃみ・咳・鼻水
犬猫の鼻に花粉が入ると、一時的にくしゃみを連続にすることがあります。
花粉が喉に入ると、花粉を排除しようと咳をすることもあります。
*「ブーブー」「フガフガ」などと逆くしゃみのような症状がでます
犬の逆くしゃみを参考にしてください。
犬は比較的に、くしゃみ・咳・鼻水などは少なく(鼻水が出ても、なめてしまうので気づきずらいです)、猫は比較的に人と似た症状でくしゃみ・目のかゆみ・鼻水の症状がでることがあります。
4.犬猫の自宅でできる花粉症対策
花粉症対策は、人と同じように花粉を自宅に持ち込まないことが大切です。
散歩
・時間帯を変える
花粉の飛散は、お昼ごろまでと夕方の時間帯に多いので、夕方前くらいの時間帯にすると良いと思います。
・花粉が体に付着させないように洋服を着せる
帰宅したら洋服を脱がせ、洗濯をして花粉を持ち込まないようにしましょう。
・散歩から帰ったらブラッシングをして花粉を落とす
散歩から帰ってきたら、身体を拭いたり・ブラッシングをして花粉を落としましょう。
環境
・空気洗浄機の導入
・こまめに掃除をする
・換気は花粉の飛散が少ない時間帯にする
・洗濯物は室内干しか乾燥機を使う
・飼い主も家の中に花粉を持ち込まないようにする
皮膚バリア
皮膚が乾燥して皮膚バリアの機能低下した状態だと、花粉のアレルゲンが皮膚に侵入しやすくなるため、保湿ケアをしましょう。
保湿ケアといっても人用の保湿剤は、犬の皮膚は薄いので使用すると悪化させることがあります。
獣医師と相談して、犬猫用の保湿剤をしようしましょう。
また、普段からワセリンを薄く塗っているのも保湿剤として良いかもしれません。
犬ぬ使えるワセリン
・ベビーワセリン
・ワセリンHG(不純物を取り除いている)
・プロペトピュアベール(べたつきが少ない)
・白色ワセリン(不純物が少ない)
*犬猫の皮膚の状態もあるので、獣医師に相談してワセリンを使用してください。
ワセリンは犬猫にも使えるの?も参考にしてください。
5.まとめ
人にとっても、犬猫にとっても花粉症はつらいものです。
犬猫がかゆがっていたり、連続でくしゃみ・咳・鼻水がでていたら、早めに獣医師に相談してください。
もし花粉症になってしまったら、獣医師と相談をしながら上手に症状をコントロールしましょう。