私たち人間にもある怖い病気の腸閉塞ですが、犬にも腸閉塞はあります。
犬の腸閉塞は、何が原因でどのような症状なのでしょうか。
1.犬の腸閉塞とは
腸閉塞とは消化管(胃腸)が何らかの原因で、食物をぜん動運動で先に運搬することができず、せき止められてしまう状態を腸閉塞といいます。
腸閉塞の種類は2つに分類されます。
機械的な閉塞
物理的に腸管の中が塞がっているため、管内物を運搬できない状態
・異物誤飲
・捻転
・腫瘍
・腸ヘルニア
・重度の便秘
・術後の癒着 など
機能的な閉塞
腸の機能が低下しているため、管内物を運搬できない状態
・神経麻痺 など
2.犬の腸管閉塞の原因
日常生活の中、愛犬が起こしやすい事故や病気が原因になります。
異物誤飲
犬の腸閉塞の中で最もよくみられるのが、異物誤飲が原因です。
身の回りにある多くの異物(ボタン・おもちゃ・ブロック・手袋・ビニールなど)を飲み込んでしまう。
捻転
腸がねじれてしまう病気です。
腫瘍
腸や腹腔にできる腫瘍やポリープです。
腸重積
腸管の一部が隣接する腸管の中に入り込んでしまう病気です。
嵌頓(かんとん)ヘルニア
腸管がヘルニア孔から飛び出して締め付けられ、元に戻れなくなってしまう状態です。
重症化した便秘
便秘も重症化すると、腸の流れをせき止める原因です。
神経麻痺
神経麻痺で、腸の機能も重大な影響が出ます。
3.犬の腸閉塞の症状
・食欲不振
・嘔吐
・腹痛
・排便がない
・便秘・下痢
・元気消失
・腹部膨満 など
初期症状
下痢や嘔吐または軟便で、おなかの痛みにより丸まるような体勢を取る兆候が現れます。
嘔吐が続くことで脱水症状を避けるために、水をよく飲むこともあります。
重度症状
下痢や嘔吐により元気がなくなり、腸が詰まってしまうことで便秘となり食欲がなくなります。
腸が詰まってしまい、呼吸が速くなって苦しい症状になります。
最終的には動けなくなり、腸閉塞で腸が炎症を起こし、ゼリー状の血が混ざる血便をすることがあります。
この血の色は黒ければ黒いほど、時間が経過していることを意味します。
さらに重症化すると貧血を起こし、体が震えてショック状態により意識を失い、最悪は死に至る危険性があります。
4.犬の腸閉塞の治療
腸閉塞の原因を取り除く治療をします。
機械的な閉塞
異物が原因の場合は、異物を取り除く手術を行います。
腫瘍が原因の場合は、腫瘍を切除して腸管の流れを正常にします。
腸管が圧迫されると、同辺組織が壊死して腸管孔になることもあるので、壊死した腸を切除して吻合術(ふんごうじゅつ)をすることもあります。
機能的な閉塞
原因となる疾患に対して治療を行います。
5.まとめ
犬が腸閉塞を起こす一番の原因は、異物誤飲なので犬が口にしやすい場所に食べてはいけない物を置かないようにしましょう。
また散歩のときは、拾い食いをしないように注意をして、異物に近づいたらリードですぐに引き離しましょう。
腸閉塞と似た病気の参考としてください。