犬も、私たち人間と同じように加齢によって足腰が弱り、寝たきりになってしまうこともあります。
老後も健康寿命が続くように、愛犬の筋力の低下に早く気が付いてあげられることが大切です。
愛犬が急に足に力が入らず、立てなくなってしまうと私たち飼い主は慌ててしまいます。
立てなくなることの原因はさまざまで、脳・関節・ヘルニア・病気などの原因が場合もあるので、「あれ?座り方がおかしい、後ろ足に力が入らない」と気が付いたならば、まず獣医師に診てもらいましょう。
ここでは加齢のため、足腰に力が入らない場合を考えていきましょう。
1.足の筋力の低下
人間のように犬も年齢が重なるとともに、足腰の筋力は衰えます。
少しずつ起き上がるのが大変そうだったり歩くのが遅くなってきますが、そのまま「もう年だから」と放置しておくと筋力はますます衰えてしまいます。
筋力が衰えると、食事の体勢が取れない・トイレの体勢が維持できなくなり、やがて寝たきりになってしまうことがあります。
筋力の低下には、早めに気が付いてあげたいものです。
犬の筋力の低下のサイン
・ふらついたり、つまずいたりが増える
・太ももが細くなる
・足を引きずる
・前かがみに歩く
・歩き方に違和感がある
・座るときに足を崩したり横座りをする
・横たわるときにドサっと横たわる
・起き上がるのに時間がかかる
・階段の上がり下がりを嫌がる
・後ろ足がまっすぐ伸びて棒のようになっている
・段差を踏み外す
・背中が曲がっているように見える
・お尻の位置が下がっている(腰が下がっている)
2.犬の後ろ足の筋肉を鍛える
散歩
愛犬がお散歩に行きたがらないからと、お散歩をやめてしまう飼い主さんもいると思いますが、お散歩はとても大切なのです。
散歩の効果
・歩くことで筋肉を衰えさせない
・血行やリンパの流れをよくする
・消化や循環機能を助ける
・全身運動で脳の働きを活発にする
・認知症の予防
老犬になっても足の筋力を落とさないように、また認知症の発症や進行を食い止めるためにも、ふらつくようなら補助をして歩かせてあげることは大切です。
目が悪くなり見えなくなっても、耳が遠くなっていても、犬は嗅覚が最後に残ると言われます。
お散歩で匂いを嗅いで、空気や物を感じ取ることができるので、ゆっくりと散歩をする・立ち止まって愛犬に話しかける・お散歩のコースを変えてみたりすることも、刺激になるので良いでしょう。
また、歩くのが辛い犬や歩くのが辛い日は、カートに乗ってほかの犬と出会える公園などに連れて行ってあげると、匂いや景色が違うことで脳に良い刺激を与えることになるでしょう。
リハビリ・筋トレ
一度筋肉が衰えてしまっても、しっかりリハビリをすることで筋肉がついてきます。
しかし無理なトレーニングは、愛犬の体だけではなく心にも負担をかけてしまうので、楽しみながらトレーニングをできるように心がけましょう。
体幹トレーニング
体幹は胴体を支えている筋肉のことで、歩くときのふらつきや食事の時の体勢を維持するのにとても大切です。
家で簡単にできる方法は、クッションをいくつか並べ道を作り、その上をおやつなどで誘導して歩かせます。
これは歩きずらい場所をバランスを取ろうとして、自然に体幹が鍛えられます。
現在ふらつきがある場合は、前か後ろ足のどちらかをクッションに乗せ、その場で少し体をゆらしてあげ、バランスを少しずつ鍛えていきましょう。
少し筋肉が鍛えられたら、4本の足をクッションに乗せたまま体をゆらすと負担が高められます。
この場合、転ばないように必ず付き添ってください。
スクワット
足を鍛える簡単なスクワットです。
立ち姿勢とお座り、伏せを繰り返します。
おやつタイムに取り入れて、楽しみながら行います。
ただし関節に痛みがある場合は、悪化させてしまう恐れがあるので控えてください。
後ろ足を鍛える
・立ち姿勢の状態で前足だけをクッションに乗せ、おやつで誘導しながら少しずつ後ろ足に体重を乗せさせます。
無理がないように何度か繰り返しましょう。
・棒などを使い、おやつで誘導して棒をまたがせます。
またぐという動作は、足を上げるのに足の付け根から筋肉を動かすので、棒などの低いものから始めて徐々にクッションや本などの高さのあるものをまたがせると無理なく鍛えられます。
上手におやつを使って、楽しみながら鍛えましょう。
マッサージ
シニア犬になると、寝ている時間が長くなります。
体が固まり関節がこわばりやすくなるので、トレーニングの前の準備運動としトレーニング後は疲れが溜まらないようにマッサージを取り入れましょう。
犬の健康維持マッサージ参考にしてください。
3.まとめ
一度弱ってしまった足も飼い主さんのマッサージやリハビリで、ふらつきながら歩いていた犬が歩けるようになった犬がいます。
あきらめずに頑張って、寝たきりにならないようにしてあげたいものです。
また室内も、立ち上がりやすい材質・コルク床・滑らないワックス・タイルマット・タイルカーペット・部分式にはヨガマットなどを使用するのも良いでしょう。