普段身近にある調味料の塩、塩の原材料や製法の違いで種類はどれくらいあるのでしょうか。
また、どの塩をどのように使うと良いのかを知っておきましょう。
1.塩の種類
・天然塩
塩化ナトリウムの純度が高く、ミネラル(マグネシウム・カリウム・カルシウム)が多く含まれ、昔ながらの製法で作られた塩を天然塩といいます。
天然塩には、「岩塩」や「湖塩」があります。
天然塩は、ほかの塩に比べて生産に手間がかかりますが、 ミネラルが豊富で味も良いです。
・岩塩
海であった塩所が、長い年月を経て岩塩層をつくり、そこから採取されるものが岩塩です。
日本ではあまり採れない岩塩ですが、世界で生産される多くが岩塩といわれます。
淡いピンク・黄色・赤・黒など、色づいているのが特徴的です。
・湖塩
塩水の湖から採取するのが、「塩湖」といわれます。
日本には塩湖がないので、岩塩と同じく日本では作れない塩です。
塩湖で比較的有名なのが、カスピ海・ウユニ塩湖・死海などがあります。
塩湖は世界中にありますが、そこから生産される湖塩は生産量が少ないため、貴重で高額になります。
・海水塩
海水塩は海の水から採れる塩です。
海水を天日干しにし、塩を電気分解して精製塩を作る製法です。
日本では気候から天日干しが難しいため、海水を釜で煮詰める製法が多く占めらめ、この海水塩にはミネラル分(ナトリウム・カルシウム・カリウム・マグネシウム)が多く含まれています。
・精製塩
スーパーなどで、食塩や食卓塩として売られている塩です。
海水を一度電気分解して製造される製法で、作る過程でミネラル分が取り除かれてしまうので、成分の99%が塩化ナトリウムといわれます。
サラサラと水に溶けやすく、生産・品質は安定しており、比較的安価で購入できます。
・再生塩
精製塩や輸入した塩に、「にがり」や「ミネナル分」を添加して、成分調整した塩を「再生塩」といいます。
再生塩は、メーカーによって加工方法や成分量が違います。
再生塩は、精製塩との差別化のため「〇〇の塩」という名称で、食塩と差別化をしているメーカーが多いようです。
・粗塩
精製塩のように精製されてなく、ミネラル分を含む商品を「粗塩」といいます。
輸入された天日塩に、にがりを加えた商品・粒子が粗い商品なども「粗塩」と表記されることも多く、「粗塩」という言葉は法律や成分によって定義されている言葉ではないため、「粗塩」と表記されているようです。
2.料理ごとに合う塩
・味の強い赤身の肉や魚には「岩塩」
岩塩は塩辛く、ナトリウムが多く含まれています。
味に強い赤身の肉や臭みのある魚を、岩塩は味を封じ込めることがなく、反対に引き立てる役割があります。
またパンに、オリーブオイルと合わせた岩塩をつけて食べると、風味が増します。
体に良いオイルも参考にしてください。
・野菜やおにぎりには「海水塩」
野菜やおにぎりなど普段から使う物には、ミネラル成分(ナトリウム・マグネシウム・カリウム・カルシウム)が多く含まれている「海水塩」がよいです。
素材の良さを生かしてくれるので、スイカなどのフルーツにも海水塩が合います。
・フライドポテトなどには「精製塩」
比較的安価の精製塩は、たくさん食べることの多い揚げ物に合います。
たくさん食べることが多く、きちんとナトリウムを摂取できます。
精製塩は味に馴染みやすく、さっぱり感を出してくれます。
3.おいしい塩
塩の味を決めるのは、「粒の大きさ」と「にがりの量」です。
・ぬちまーす(粉末)
沖縄県宮城島の海水のみを原料とし、「常温瞬間空中結晶法」という世界唯一の特許法で、世界一ミネラルの多い塩です。
一般的な食塩と比べて塩分が25%低い塩で、パウダー状で溶けやすいです。
・アルペンザイツ(岩塩)
ドイツアルプス山脈の天然水が、溶けだした岩塩です。
岩塩層から流れ出た塩水を汲み上げ、煮沸して不純物を取り除き再結晶化した塩です。
カルシウムが豊富に含まれ、顆粒状でサラサラしてほかの調味料との相性が良い塩です。
・南の極み 天日塩(中粒)
自然豊かなオーストラリア南部で、南極海から流れる海水を天日結晶して製塩します。
塩辛さとやわらかな味わいの塩です。
・あら塩の恵(大粒)
国産原料100%で、瀬戸内海の海水を使った粗塩です。
ほどよい塩味・まろやかな旨味を楽しめます。
・SONNENTORソルト ヒマラヤピンクソルト(岩塩)
ヒマラヤから採掘され、未精製で品質の良い岩塩です。
甘みと塩分のバランスの良い塩です。
・ヒマラヤ岩塩パウダーピンク(粉末)
ヒマラヤの自然結晶した岩塩です。
ミネラルが豊富で、パウダータイプなので料理はもちろんのこと、お風呂のバスソルトとしても使いやすい塩です。
苦味が少なく、鉄分・カリウム・マグネシウムなどのアルカリ性の栄養素が天然のバラ色のような色になります。
84のミネラルは人体のミネラルの割合とほぼ同じなので、スポーツで発汗して失われる電解質を補給するのに適しています。
4.まとめ
塩の基本的な使い方は
・ふり塩
肉や魚の下味にふり塩をするのは、小さな粒のサラサラしたもの
・食べる
おにぎりのように塩を直接食べるときは、にがりが強すぎないもの
・漬物
食材に馴染みやすい、細かな粒のもの
・あく抜き
(食材そのものの特性を引き出す)
・色留め
(果物などの変色を防ぐ)
・呼び塩
(塩漬けされた食材を塩抜きする)
などと、いろいろな使い方があります。
そのまま口に入る塩と茹でたりするときは、味の良い塩や安価な塩と使い分けをしてみてはいかがでしょうか。