毎年夏になると、熱中症のニュースを耳にします。
熱中症の危険性を正しく理解して、自分にできる熱中症対策を心掛けましょう。
1.熱中症とは
私たちの身体は、普段からさまざまな熱が生まれます。
例えば、運動もせずにじっとしている状態でも、心臓や脳は動いているため絶えず熱が発生します。
食事をすれば、消化のために胃腸が働くことも熱を作ります。
このさまざまな熱で、身体の体温が上がってしまった場合は自律神経の働きで、末梢神経を広げて皮膚に多くの血液を流れ込ませることで熱を体外に放出します。
汗も体温を下げるシステムで、汗が蒸発するときに身体の表面から熱が奪われます。
人間の身体は体温調節機能を持っていますが、高温の環境に長くいると体温調節機能が乱れてしまうことがあります。
体温調節機能が乱れてしまうと、体内に熱がこもったり汗を急激にかくことで、体内の水分・塩分が奪われ全身に影響を及ぼします。
この全身に影響を及ぼすことが、熱中症で痙攣・めまい・湿疹・頭痛・吐き気などの多くの症状がでます。
2.熱中症になる原因
熱中症は、環境による要因・身体的な要因・行動による要因の3つが重なった場合に起こりやすくなります。
環境による要因
・気温、湿度が高い
・日差しが強い
・風が弱い、通気が弱い
・厚着をしている
など
身体的な要因
・体調が悪い
・高齢者、乳幼児
・糖尿病などの持病がある
・肥満
・普段から運動をしていない
など
行動による要因
・激しい運動
・長時間の炎天下での労働
・水分補給をしていない
*エアコンを付けていても直射日光が当たれば、温度は上がってしまうので注意しましょう。
3.熱中症の症状
熱中症の症状は、3種類に分けられます。
軽度(Ⅰ度)
めまい(脳に届く血の流れが足りなくなり、フラフラになるような状態。)
筋肉痛・筋肉の硬直(汗をかくことで、体の中の塩分が足らなくなって起こります。)こむら返りなど
中等度(Ⅱ度)
頭痛
吐き気
体のだるさ(体がぐったりして力が入らない。)
重度(Ⅲ度)
意識障害・痙攣・湿疹(声をかける・体をゆすっても反応がはっきりしない状態。体がガクガクとひきつけを起こし、歩けない。)
高体温(体を触ると「熱い」と感じる。)
熱中症のサイン
・汗をかかなくなる
・呼吸が浅くなる・早くなる
・肌が赤くなる・熱くなる
・水が飲めなくなる
・顔色が白くなる
・手足が震える
など
*軽度でも放置すると、あっという間に重症化することがあります。
4.熱中症の予防
暑さを避ける
外出時には、日陰を歩く・帽子や日傘を使う
服装を工夫
素材は、吸収性や通気性の高い綿や麻を選ぶ
薄着の方が涼しいとはいえ、インナーを着た方が肌とインナー・インナーとアウターの間に空気の層ができるため、外からの熱気を遮断してくれます。
こまめな水分補給
知らず知らずのうちに汗をかき、体内の水分が失われるので、喉が渇く前からこまめに水分を補給しましょう。
汗をかくことによって、水分のほかミネラルやビタミンも失われます。
糖分が入っているスポーツ飲料などは、飲みすぎに注意が必要です。
ミネラル補給するには、麦茶がよいでしょう。
暑さに備えた体作り
ウォーキングやランニングなどで、汗をかく習慣を身につけることも大切です。
日ごろから暑さに身体を慣らしておきましょう。
5.熱中症の応急処置
涼しい場所に移す
風通しの良い日がげ・クーラーが効いている室内
脱衣・冷却
衣類を脱がせて、体内の熱を外に出す。
露出させて皮膚に水をかけ、うちわや扇風機などであおいだり、氷袋で首やわきの下・太ももの付け根を冷やし、体温をさげる。
水分と塩分を補給
冷たい水と塩分も同時に補えるスポーツ飲料などを飲ませる。
ただし、意識障害があるときは水分が気道に入ってしまう可能性があるので、救急車を呼びましょう。
吐き気や嘔吐の症状がある時は、すでに胃腸の動きが鈍っていると考えられるので、口から水分を入れることを避け医療機関にに行きましょう。
6.まとめ
熱中症は、放置するととても怖いのでしっかりと症状をみて、場所の移動や医療機関・救急車を呼ぶ判断してください。
乳幼児は体温のコントロールがうまくできません。
高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくくなっています。
肥満の方は、皮下脂肪が体内の熱を逃がしにくくします。
二日酔いや下痢をしていて、体内の水分が減っているときなども熱中症になりやすいので、日ごろからしっかりと予防を行ってください。
犬の熱中症も参考にしてください。