犬の熱中症の症状はどうなると後遺症が残るの?

私たち人間は全身から汗をだして体温調節をしますが、犬は鼻と足の裏にしか汗がでません。

そのため体温調節がうまくできず、人間より熱中症にかかりやすいのです。

では、熱中症はどのような病気で、どのような症状なのでしょうか?

1.犬の熱中症の症状

犬は体温調節をするには、パンティング(舌を出してハァハァする)をして体温をさげます。

しかし、気温が高いとパンティングをしても体温をさげられず、熱が体のなかにこもってしまいます。

犬は一生懸命パンティングをすることにより、脱水症状も加わって血圧低下が起こり熱中症になります。

熱中症がひどいと、わずか3分で体内の臓器にダメージをあたえ、後遺症が残ることもあります。

熱中症は時間が経つほど悪化をし、命を落とす危険があります。

熱中症の症状

軽度症状

・体に触れると熱い

・ハァハァと浅く早い呼吸が続く

・ヨダレの量が多い

・食欲もなく水も飲まない

・落ち着きがなく、ソワソワする

・横になったままでも、ハァハァと呼吸が続く

中度症状

・1点を見つめ、ボーとする

・ぐったりする

・泡を吐く

・嘔吐、下痢をする

・ふらつきがある

・目や口の中の粘膜が充血

・痙攣

・体の一部が震える

③重度症状

・意識がなくなる

・動かない

・歯茎が白い

・舌がチアノーゼ(青紫色になる)をおこしている

・吐血

・抱き上げた瞬間に尿や便が出る

2.犬の熱中症の原因

愛犬を熱中症から守るためには、まずは予防が大切です。

私たち飼い主が少し気を付けることによっても、愛犬の熱中症のリスクが少なくなります。

①高温多湿の環境

熱中症は屋外だけではなく、室内でも発症をします。

・室内が高温多湿になっている。

・暑い中は短時間でも車の中は危険です。

犬にとってのエアコンの適温を参考にしてください。

②過度な運動

・過度な運動は、体温調節がうまく出来ないので、熱中症を引き起こしやすくなります。

・気温や湿度の高いときは、短時間でも注意が必要です。

③散歩

・夏などアスファルトは50~60℃になります。

・地面に近い犬は地面から熱を受けやすく、暑い時間の散歩は熱中症になりやすくなります。

④犬種・病気や肥満

・短鼻犬種

・北国生まれ

・長毛種

・毛の黒い犬(毛が黒いと日光の熱を吸収しやすく、体温があがってしまいます)

・子犬、老犬

・病気で体力のない犬

・肥満犬

などは体温調節がしづらいので、熱中症になりやすくなります。

犬にとってのエアコンの適温を参考にしてください。

3.犬の熱中症対処

熱中症は放置すると、どんどん進行してしまいます。

1分1秒を争う状況なので、「おかしい」と気がついたら直ぐに行動してください。

①日陰や室内の涼しい場所(エアコンを効かせる)に移動する

②身体を冷やす

首・脇の下・太ももの付け根などは太い血管があるので、体温降下率が高いので保冷剤などで冷やす

軽度ならば、常温のシャワーをかけて全身を冷やす

扇風機やうちわなどで風をあてる

*冷たい氷水などは、末梢血管が収縮してしまい、冷却効率はさがってしまうので注意してください。

③水分の補給(飲めない場合は、無理に飲ませずに脱水症状があるので獣医師に診てもらってください)

④こまめに体温を測る

体温をこまかく測り、39℃までさがったら冷やすのをやめましょう。

体を冷やし過ぎると、低体温状態になってしまうので注意してください。

⑤ ①~④でいつもの通りに元気にならない場合は、熱中症が進んでいると考えられます。

熱中症は一刻を争う病気なので、直ぐに病院で獣医師に診てもらいましょう。

4.犬の熱中症の死亡リスクや後遺症

熱中症の死亡リスクが高いのは、体力のない子犬や老犬です。

成犬でも、2-④にある犬種・疾患のある犬などは注意をしましょう。

熱中症が治っても、後遺症が残ることもあります。

主な後遺症

①脳障害

長い時間の高熱で脳に重度のダメージを受けてしまい、最悪な状態は心臓が動かない・呼吸が止まってしまい亡くなることがあります。

そのほかの後遺症としては、歩行困難、首が傾いたまま、痙攣、てんかん発作などの症状が出ることがあります。

②呼吸障害

熱が高い状態が続くと、呼吸数が多い状態が長いため、心臓や肺に大きな負担がかかり肺炎などを起こします。

③腎障害

熱中症で全身の血圧が下がり、脱水することで臓器に栄養が回らないため、臓器にダメージが残ります。

腎臓は1度ダメージがあると、再生することのできない臓器のため、影響が出てしまうことがあります。

5.まとめ

体温調節がうまく出来ない愛犬のために、日用生活から予防に心がけてあげなくてはなりません。

犬にとってのエアコンの適温

1日に必要な水分量

も参考にしてください。

熱中症の予防グッツなどを上手に使い、愛犬が屋外でも室内でも快適に過ごせるように注意が必要です。

 

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