私たち人間には、代表的な心の病気で「うつ病」「五月病」が代表的によく言われます。
私たちと一緒に暮らす犬にも心の病気は、やはりあるのです。
1.犬の分離不安
犬の心の病気では、代表的なのが「分離不安」と言われます。
本来、犬は群れで行動する動物なので、ひとりでの留守番は得意ではありません。
ひとりでの留守番や愛着を感じている対象からの分離され、ひとりになると不安を感じるなどで症状が現れます。
症状は軽度なものから、深刻なものまでさまざまです。
例えば
・飼い主と離れてひとりになると不安になり、吠え続ける・家の中のものを壊す・違う場所で排泄する
・飼い主がお風呂に入るだけでも、強い不安を感じてしまう
犬の分離不安を参考にしてください
愛犬の分離不安度チェック
□ 家の中を移動するとき、愛犬が常について回る
□ トイレやお風呂に入るとき、愛犬がドアの前までついてくる
□ 短時間であっても、留守番ができない
□ 留守番をさせる・飼い主と離れると自分の足を舐める・噛む・尻尾を噛むという行動をすることがある
□ 飼い主が見えなくなると、プルプル震えたりする
□ 飼い主が離れると部屋を荒らしたり、ドアや壁・家具などを掘るといった破壊行動をする
□ 留守番中にパニックになり、部屋やゲージの中で暴れ出してしまう
□ 留守番中トイレ以外の場所で排泄する(飼い主がいると失敗しない)
□ 帰ってくると飛びついたり、部屋を急に走り回るといった異常な興奮状態に堕ちうる
*該当項目が増えれば、重症度が高くなります。
2.犬の常同障害
不安障害のひとつです。
ストレスがたまったり、どうしていいのか分からなくなったとき、全く関係ない行動を繰り返す・行動を何もしなくなったりします。
この行動自体には何の意味もありませんが、繰り返し行動をすることでストレス解消しています。
一時的ですぐに行動が改善されれば問題ありませんが、断続的なストレス状態にされるとエスカレートして常同障害となります。
例えば
・長い時間の孤独やストレスで、意味のない同じ行動をひたすらする・繰り返して行動をする
・体の一部を舐め続ける、尾を追いかけるなど自分自身を傷つける、同じ場所を歩きまわるなどの行動をする
症状
・尾を追いかけてグルグル回る
・足先を舐める
・穴を掘る
・歩き回る
・光を追う動きをする
日常に行動している犬の動きですが、症状が悪化すると尾を唸りながら追いかけまわり、自分で尾を嚙みちぎる・足を舐めすぎて赤く腫れあがり出血したりしてしまいます。
3.犬の恐怖症
雷や花火などの大きな音や、病院やドライブなど特定の場所や状況に過剰な恐怖反応を示します。
症状
・呼吸が粗くなる
・ソワソワする
・震える
・体を硬直する
・隠れる
・吠える
・破壊行動
・排泄
社会化期(3~12週齢)に十分な社会化が行われなかったり、ある刺激に対して強い恐怖経験を受けたりすることで起こります。
恐怖反応が起きている犬に、なだめることで不安行動が強化されたり、叱ることで恐怖心が増します。
恐怖対象がわかれば、それに慣らす練習をさせます。
また高齢になると、不安傾向が高まります。
4.犬のうつ病
犬は感情が豊かな動物なので、うつ病を発症しやすいストレスを感じる動物です。
しかし言葉を話せないので、はっきりと診断するのは不可能なのです。
分離不安や常同障害が原因の可能性もあり、うつ症状が現れることもあります。
症状
・以前は喜んでいたことを喜ばなくなる
・元気がなくなる
・眠ってばかりいる
・食欲が変化する
・粗相が増える
・手足を噛む、舐め続ける
人間のように自死を選んでしまうことはありませんが、エサを食べず水も飲まないマイナス感情による自殺は起こることがあります。
5.まとめ
心の病気は、コミュニケーション不足・運動不足・環境の変化・飼い主との関係など、さまざまなことから起こります。
まずは、身体的な病気ではないことを確認し、今までの生活の中から問題点を探ってみましょう。