犬や猫には ノミがつくことが多いです。
痒がっているのはかわいそうで、お風呂に入れたけどまだ痒がっているなど見たことはありませんか?
病院でノミ取り剤をしてもらっているから大丈夫などと思ってはいませんか?
実はノミの駆除ってものすごく大変です。
1度家に入れてしまうと、大変なことになってしまいますのできちんとノミのことを理解したうえで対処してください。
1.ノミとは
1-1.ノミは1年中活動できる
ノミは13℃以上あれば活動できます。冬でも暖房を使っていれば活動できるのです。
日本でのノミの種類は3種類
①ヒトノミ(現在ではほとんど見られません)
②イヌノミ(日本では減少傾向)
③ネコノミ(近年ではノミといえば、ほとんどがネコノミです)
*犬についているノミもネコノミです
ネコノミとは
・1~3mmの褐色の外部寄生虫です。
・オス、メスに関わらず血を吸います。
・家の中は快適な住居になり、犬や猫がいることで食事まで快適環境の中でできてしまいます。
1-2.ノミの生態
・家の中にメスが10匹入ってしまうと
⇩ 30日後には
ノミの成虫が2,000匹
同時に90,000個の卵と10数万匹の幼虫を生みだします。
・ノミは1~6日前後で卵からふ化し、幼虫になります。
2度の脱皮後に成虫になり、成虫は光、熱、二酸化炭素に反応し、動物の体表に寄生して吸血後2日以内に産卵します。
・ノミは通常1~2カ月で生涯を終えますが、ノミは動物の体表で過ごす時間は短く、大半はその周囲(ソファ・ベット、カーペット、部屋の四隅、家具の下、暗く湿った場所、ペットの寝床の周辺)で過ごしているといわれます。
2.ノミのもたらす病気
ノミは犬や猫の被毛の中にいて血を吸って生きている寄生虫です。
ノミが吸血すると刺激の強い痒みをもたらします。そのため激しい痒みによる、精神的ストレスを受けます。
2-1.貧血
ノミ1匹の吸う血の量は少なくとも、大量のノミに寄生を受けると、子犬・子猫では貧血を起こす危険性があります。
2-2.細菌の2次感染
ノミに刺された箇所を掻きむしってしまうと、傷に細菌が入り、皮膚の化膿を引き起こすことがあります。
2-3.瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)=サナダムシ
ノミの媒介役となる代表的な寄生虫症は、「条虫症」でサナダムシと知られている犬猫に感染する病気です。
サナダムシは体調が50cm以上になることもあり、ノミの幼虫がサナダムシの卵を食べるとそのノミの体内で発育します。
犬や猫がグリーミングの際に、サナダムシの卵を宿したノミの成虫を食べることにより、小腸に寄生します。
*サナダムシとは人間にも寄生する、条虫と呼ばれる寄生虫です。サナダムシはサナダムシの幼虫に汚染された食物や水を摂取することから感染します。
サナダムシの幼虫は消化管に寄生し、消化管内で8~12週間で成虫となり、6mほどの大きさになります。
「症状」
サナダムシが消化管に居座る状況では、症状の自覚がないことが多いです。
しかし、吐き気・下痢・腹痛などの症状がでることもあり、栄養をサナダムシに取られ体重の減少を生じることもあります。
サナダムシの一部が肛門から排泄されると、肛門の周りに不快な感じがすることもあります。
2-4.ノミアレルギー皮膚炎
ノミによる吸血が繰り返されると、犬や猫がアレルギー状態になり皮膚炎をおこすことがあります。
一度この病気になると、その後はわずかなノミの寄生でも、皮膚炎に悩まされ激しい痒み・湿疹・脱毛などがおこります。
2-5.ノミは人にも病気をおこさせる
①刺咬症
ノミに刺されると激しい痒みがおこり、幹部を掻くことで細菌感染をし、ひどい場合はアレルギーとなり水ぶくれのような状態になります。
②猫ひっかき病
バルトネラ菌を持ったノミの吸血によって、犬や猫に感染しその犬や猫により引っかき傷や噛み傷から人に感染します。
バルトネラ菌は犬や猫では常在菌ですので無症状ですが、人では傷口の化膿・発熱・リンパ節の腫脹を引き起こします。
*バルトネラ菌は通性細胞内寄生菌
典型的には赤血球・内皮細胞の内部で生息する。
3.ノミの駆除
3-1.ノミをつぶさない
犬や猫の皮膚の上にノミがいると捕まえてつぶしたくなるでしょうが、メスをつぶすと卵をまき散らすため、水を張った容器に捕獲後いれるか、粘着テープに張り付けて処理をしましょう。
3-2.洗濯
ノミは60℃以上の高温で駆除できます。
60℃以上のお湯で洗濯をし、乾燥機にかけてしっかり乾かしましょう。
60℃以上で洗濯できないものは、しっかりアイロンをかけて退治してください。
3-3.掃除
ノミが発生したら部屋中に掃除機をかけましょう。
ノミの死骸もアレルギーの原因となるので、しっかりと掃除機をかけることが大切です。
市販のノミ駆除粉や重曹などを隅まで振りかけることで、カーペットや畳にいるノミの卵の水分を奪いひからびさせることができます。
3-4.ペットにノミがついているかチェック
①目の細かいクシで丹念にすきます。
ノミは動き回るので見つからないこともあります。
②クシに黒っぽい、小さな粒があれば湿らせたティッシュの上に置きます。
③粒が溶けて赤茶色になったら、それは血を吸ったノミの糞です。
ノミが寄生しています。
4.まとめ
ノミは1度家についてしまうと、駆除をするのはとても大変です。
だからといって、外を散歩するとノミがつくからと愛犬の散歩をやめてしまうのではなく、愛犬にはノミがつかないように病院で飲み薬・背中に着ける液体・注射などさまざまな薬がありますので、愛犬に合った方法できちんと対処して、散歩から帰ったら必ずクシのチェックをするなどして、楽しく散歩をさせてあげてください。
猫も外に出なくとも窓を開けていたり、開けている窓の近くに外の猫が来たりと、外からノミがつくことがあります。
犬も猫もノミがつかないように気を付けてあげることが、人間への病気も防ぐことになります。