犬にも白内障ってあるの?白内障になったらどうすればいいのでしょうか

私たち人間は年齢を重ねると、早い人で50歳代から白内障という目の病気になりやすいです。

70歳では約半数以上、80歳では70~80%の人が発症しています。

現代では白内障の手術も進み、日帰り手術もできますが、この白内障は愛犬にも発症します。

愛犬の白内障とはどういった病気なのでしょうか。

1.犬の白内障

1-1. 白内障とは

白内障は、目の水晶体が白く濁ることによって光を透過しづらくなり、視力が落ちる・失明する病気です。

白内障とよく似た外観の「核硬化症」(かくこうかしょう)があります

核硬化症は白内障とは違い、加齢に伴って水晶体の硬化・白濁しても、通常は視覚障害は伴いません。

初期の白内障と核硬化症を鑑別するには、瞳孔に光を照射し、眼球の奥にあるタペタム層からの反射光を観察する方法(徹照法てっしょうほう)が用いられます。

「白内障」は水晶体の濁りによって、途中で光がさえぎられ灰~黒の点が現れる。

「核硬化症」は光を照射しても、不連続な部位が現れない。

1-2.白内障発症

犬の白内障は、先天性(遺伝性)・加齢性・糖尿病・外傷などさまざまな原因があります。

先天性(遺伝性)の場合は、若年でも発症をすることがあります。

年齢に関わらず、どの犬にも発症する可能性があるので、若い時から油断せずに早期発見が重要です。

1-3.白内障のステージ

犬の白内障は、進行度合いで4つのステージにわけられます。

①初発白内障

初発白内障は、水晶体に少しだけ濁りがみられる程度で、視覚異常がほとんどない状態です。

犬自身も気が付かない程度のレベルなので、日常生活には支障がありません。

②未熟白内障

未熟白内障とは、少しずつ白内障が広がるレベルです。

このころから、犬の行動に徐々に異常がみられます。

③成熟白内障

成熟白内障まで進んでしまうと、獣医師でなくても飼い主が見ても、白内障だと気づくほど水晶体が濁ります。

犬の視力は低下し、異常行動がみられます。

④過熟白内障

過熟白内障まで症状が進むと、濁った水晶体が溶けだし始めます。

そのため、一時的に目が透明になったように見えますが、実際は白内障が末期状態まで進んでいます。

炎症やほかの病気を併発する可能性が高まってしまいます。

*ブドウ膜炎や緑内障などの合併症が出ることがあり、激しい痛みを伴うことがあります。

2.犬の白内障治療

犬の白内障は、早期発見がとても重要です。

できるだけ早く症状の進行に気付けるように、普段からアイコンタクトをし、目をのぞき込みましょう。

また、定期的に獣医師の健康診断を受けるようにしましょう。

①内科的治療

白内障の初期は、内科的治療法として目薬の治療が行われます。

目薬による治療は、進行することを抑える程度で、完治することはありません。

*いろいろな目薬が販売されていますが、獣医師の指示に沿って点眼してください。

②外科的治療

犬の白内障を完治させるには、眼科専門医による全身麻酔で手術を行います。

白濁した水晶体を超音波の振動で細かく砕いて取り除き、水晶体の代わりになる犬用の人工眼内レンズを挿入して視力を調節します。

3.犬の白内障の予防とケア

3-1.犬の白内障の予防

犬の白内障は、発症メカニズムが解明されていません。

しかし、原因の一つであるとされる細胞へのダメージや、組織を老化させる酸化ストレスなどもあります。

・酸化ストレスの予防とし、抗酸化栄養素をたくさん含む食品を選ぶように心がけましょう。

*抗酸化栄養素とは、ビタミン・ミネラル・フィトケミカル・アスタキサンチン・コエンザイムQ10など

・紫外線は、目の角膜や水晶体にダメージを与えることがあるので注意しましょう。

・白内障は外傷より発症することがあるので、目の周りの毛を定期的にカットする・目やにを拭いてあげるなど、犬自身が眼球を傷つけないようにアイケアを日常的に行いましょう。

3-2.犬が白内障になったときのケア

白内障で目が見えずらい・失明してしまうなどになると、犬も不安で吠えることが多くなる・犬の性格が変わってしまったと思うようなことがあります。

犬が安心して過ごせるように注意しましょう。

・室内の配置を変えない

 犬は目が見えなくても慣れている場所であれば、ある程度は記憶しているため行動ができます。

・家具の角にはクッション材を付ける

 家具の角になっている部分に、クッション材を付けることで怪我を防げます。

・犬に触れるときに声をかける

 目が見えない不安から、攻撃的になることがあります。

 声をかけて安心をさせてから触れましょう。

・散歩は安全な場所でする

 散歩は犬自身が行きたがるのであれば、気晴らしにお散歩をすることは良いことです。

 ただ、交通量の多い場所や電柱・ガードレールなどある危ない場所では、抱っこして公園など安全な場所で運動させてあげましょう。

3.まとめ

どの犬でもなりうる白内障です。

早期発見で、飼い主さんが気づいてあげられることが大切です。

私の愛犬も10歳の時に、眼科医が小さな三角の白内障を見つけていただき、その後目薬だけで17歳7カ月まで進行を遅らせられ、生涯失明することはありませんでした。

早期発見ができれば、生涯飼い主さんの顔を見ていれる可能性があるかもしれませんね。

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