愛犬をトリミングに、ペットサロンや動物病院に連れていく飼い主さんも多いと思います。
しかし、 トリミングも頻繁には連れて行くことはできません。
ご家庭でお風呂に入れているけど、お風呂への入れ方・頻度または温度などはどうすればいいの?と思っている飼い主さんもいると思います。
1.犬をお風呂に入れる頻度
健康な犬の皮膚のサイクル(ターンオーバー)は、通常3週間と考えられています。
犬の皮膚は私たち人間よりも丈夫のように見えますが、実は人間の皮膚の表皮より薄く1/3程度しかありません。
体の1番表面にある皮膚表皮が薄いため、犬は外からの刺激から守る「皮膚バリア」も外部の刺激に弱くデリケートです。
健康な犬をお風呂に入れるのは、月に1~2回程度が平均なのですが、日常生活で汚れてしまう・泥だらけになってしまうこともあります。
現代では犬のシャンプー剤も進化しており、肌に優しく週に何回も洗うことができるものも販売されています。
シャンプーでしっかり油や汚れを落とし、保湿剤で毛ではなく「皮膚」の乾燥を防ぐことが大切です。
2.犬をお風呂に入れるときの注意
2-1.湯の温度
人間の入るお湯の温度は、犬にとっては「熱湯」です。
犬は全身が毛に覆われているために、すぐに体温を調節することが難しいのです。
・湯船・・・ 子犬の場合 → 35℃前後
成犬の場合 → 30~35℃くらい
・シャワー・・・湯船よりも少し高めで35~38℃
季節によって調節してください。
*食事の後は、消化を行うために胃の血液が集まるので、お風呂で温まり血液が全身に分散してしまうと消化に負担がかかります。
食事の前後1時間は避けましょう。
2-2.犬のお風呂の準備
全ての工程を手早く終わらせるために、シャンプー・トリートメント・タオル・ドライヤー・スリッカー・ティッシュ・ガーゼなど必要なものは近くに用意しておきましょう。
子犬などはシャンプーに慣れていないため、耳に水が入らないように、綿などの素材で「耳栓」をしてあげるのも良いでしょう。
・人間用の入浴剤は、犬にとっては匂いや刺激が強いので避けてください。
・犬を洗うことは大切ですが、お風呂あがりにしっかり皮膚面まで乾かすことが大切です。
・お風呂は意外に犬も体力を使うので、10分くらいを目安にすると良いでしょう。
3.犬のお風呂の入れ方
「シャワーで洗う」
①体にシャワーをかけます
シャワーは犬に離れてかけると、水力で犬が驚いてしまいますので、なるべく犬に近づけてください。
②前脚・後脚
足から洗い始めます。シャワーで濡らし、シャンプーを泡立てて手でもみ込むように洗います。
③お尻・内股
尻尾を持ち上げ、肛門の周りを泡立てて優しく洗います。
内股も優しく丁寧に洗ってあげましょう。
④背中
お尻の方から頭の方へ順に濡らし、シャンプーを泡立てて洗います。
首の周辺は汚れが溜まっているので、しっかり洗いましょう。
⑤頭部・顔
最後に頭から顔を洗います。
顔は洗面器にぬるま湯をため、手ですくってかけます。
目のまわりはガーゼなどを使い、優しく拭いてあげましょう。
⑥洗い流す
体の高いところから順に流します。
頭→顔→胸→前脚→おなか→お尻→後脚 と洗って、シャンプーが残らないようにしましょう。
シャワーはヘッドを体にあてて、もう片方の手で上から皮膚面へ手のひらで押すようにして洗います。
⑦ドライヤーで乾かす
洗い終わったら、バスタオルで水気を拭き取りドライヤーで乾かします。
ドライヤーは遠く(30cmくらい)離し、手やスリッカーで毛を逆立てるようにして毛並みを分けながらあてます。
ドライヤーは 背中→お尻→おなか→脚→顔→尻尾の順でしっかり乾かします。
耳の穴に入った水気は、そのままにしておくと外耳炎になってしまう場合もあるので、指にテッシュなどを巻き優しく拭き取ります。
「湯船」
湯船に浸からせる場合は、①~⑥の工程にシャワーの温度よりもやや低めの温度で浸かります。
目安としては、10分程度です。
4.まとめ
湯船に浸かることは、体が温まり血液の流れがよくなります。
これは「ストレスを和らげてくれる」効果があるのですが、お風呂が嫌いだと逆効果になってしまいます。
飼い主さんの笑顔とお風呂の工程1つに少しのおやつを与えるなどと「お風呂は楽しいもの」になると良いですね。
また、1度に毎回すべてをするのではなく、シャンプーの日・お風呂に浸かるだけの日などと、時間を短くして体への負担を少なくするのも良いでしょう。
お風呂は体調をみて、入れるようにしてください。
また、病気がある場合は獣医師に確認してからお風呂に入りましょう。