犬の肛門腺は、トリミングや病院または自宅でシャンプーをするときなどに絞りますが、猫にも肛門嚢(肛門腺)があり、炎症や破裂を起こすことがあるのでチェックが必要です。
1.猫の肛門腺とは
肛門腺とは、肛門管の不要な分泌物などを排出させる器官(管状胞状腺)です。
正式には、肛門嚢(こうもんのう)と呼ばれます。
肛門腺とは簡単にいうと、「におい袋」で、肛門の下にあり時計の4時と8時の位置に2か所にあります。
犬猫は便に混ざって出る・興奮・緊張などでピュッと出ます。
よくスカンクが臭いオナラをすると有名ですが、これも肛門腺からの分泌なのです。
2.猫のお尻歩き
猫がお尻を地面にズリズリと擦りつけて歩く姿を見て可愛いと思いますが、これは猫がお尻に違和感がある仕草なので、病気の可能性があります。
原因
・肛門嚢(肛門腺)の目詰まり
・細菌の感染
・便秘
・便の切れが悪い
・下痢、便が緩い
肛門嚢の目詰まりや細菌の感染は、肛門嚢炎(炎症)を起こします。
猫の下痢については参考にしてください。
3.猫の肛門嚢炎とは
肛門嚢炎(こうもんのうえん)は、肛門嚢が細菌感染や肛門腺の目詰まりすることなどで、肛門嚢が炎症を起こした状態のことです。
炎症すると膿が溜まり、肛門が大きくなり赤く腫れてしまいます。
猫がお尻を気にしていて、よく見ると濡れている・臭いがするなどの状態のときは、肛門嚢が破裂している可能性があります。
肛門嚢が破裂してしまうと、皮膚に穴が開いて血や膿が流れて周囲の組織が壊死を起こします。
破裂してしまうと薬を内服し、炎症と感染をコントロールしてから縫合する外科的処置を行う必要があります。
4.猫の肛門嚢(肛門腺)の絞り方
猫の肛門腺は肛門を中心に見た場合、時計の4時と8時の位置にあります。
触ると左右にパチンコ玉の大きさのコロコロした塊があります。
肛門嚢に分泌液が溜まると、塊が大きくなります。
肛門嚢を優しく摘み、身体の内側にかけて優しく絞ってあげると、トロっと分泌液が出るので数回繰り返しましょう。
*溜まっているときの大きさと、絞り終えたときの大きさを覚えておくと良いでしょう。
分泌液は独特な強い臭いがするため、お風呂場で行うとお尻を洗い流せて便利です。
ただし、お尻の周囲の粘膜はとてもデリケートなので、傷をつけてしまう・汚れた手で触らないようにしましょう。
愛猫が嫌がる場合は無理にせず、獣医師に絞ってもらいましょう。
5.まとめ
犬のように多くはないですが、猫でも肛門嚢のトラブルはあります。
私の猫もまだ1歳なのに、獣医師が触れたらピュっと出てしまったことがありました。
子猫や老猫だと筋力があまりないので、溜まってしまっても出せないことがあります。
気が付くのが遅れて、破裂してしまうこともあるので、日ごろから確認しましょう。